2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子ノックダウン手法を用いた血小板細胞死がもたらす敗血症増悪病態の解明
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23592307
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中嶋 康文 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70326239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴崎 雅志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20405319)
溝部 俊樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50239266)
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90167578)
佐和 貞治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10206013)
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Keywords | 遺伝子治療 |
Research Abstract |
我々は、患者予後と関連する重症敗血症時の炎症増悪の原因として、過度の血小板活性化とその後引き続き起こる血小板細胞死の現象が関与していると考えている。その機序と新しい予防法・治療法を見出すために、分子生物学的手法を用いた遺伝子ノックダウン血小板細胞と生理活性(細胞透過性ペプチドを含む)物質により、研究展開したいと考えた。 今回の研究課題により、我々は敗血症病態において、経時的な変化の中で過度に血小板が活性化した後、末梢血中の血小板細胞のトロンビンに対する不応性・血小板凝集能低下と、アポトーシス(細胞死)進行の指標となるミトコンゴリア膜電位の低下及び血小板内Bak, Baxの上昇に正の相関関係があること、また細胞内Bcl-XL濃度を細胞性透過性ペプチドを用いて上昇させれば、血小板の細胞死を制御することができることが分かった。また、Baxノックダウン血小板細胞を用いることで血小板の細胞死を抑制できることも分かった。また、好中球との共培養実験系において、コントロール遺伝子ノックダウン血小板細胞群に比べ、Bax遺伝子ノックダウン血小板細胞群は、好中球からの好中球細胞外トラップ(NETs)の放出が抑制されている事が分かった。また、Bax発現を制御する細胞内情報伝達系の上流にあるp38 MAPK 遺伝子ノックダウン血小板細胞においても好中球との共培養実験系において、好中球からの好中球細胞外トラップ(NETs)の放出が抑制されている事が分かった。従って、適度に血小板の活性化を抑制する事で、過度な炎症病態を抑制出来る可能性があり、今後の研究展開に重要な研究結果を得ることが出来た。 また、実験過程において血小板から放出されるmicroRNAが炎症病態に関与してることが分かったため、次世代シーケンサーを共同購入しmicroRNAの網羅的解析を行った。これら実験で得た結果は、今後学会等で発表する予定にしている。
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[Presentation] 抗血栓療法の最前線2013
Author(s)
中山力恒、中嶋康文、小川覚、溝部俊樹
Organizer
日本心臓血管麻酔学会第18回学術大会
Place of Presentation
小倉
Year and Date
20130927-20130929
Invited
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