2011 Fiscal Year Research-status Report
手術患者の酸化ストレス病態の解明と抗酸化治療による手術侵襲治療戦略の確立
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23592309
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
土屋 正彦 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80253350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英介 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 教授 (60211942)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 手術侵襲 |
Research Abstract |
(1) 基礎実験として、ストレスの与える影響を明らかにするために、ラットに過大ストレスを与え、その行動変化を観察した。その後、ラットから各臓器を取り出し、それぞれの臓器が受けた酸化ストレスを解析している。また、これらの侵襲に対して、何らかの薬物投与により、一定の改善ができないかについて、その薬物の選定も含み、研究を進めている。(2) 麻酔薬が抗炎症性ステロイドの合成へ影響を与えることを発見し、現在、そのメカニズムを解析中である。メカニズムの解析により、手術および重症患者の治療中の感染症併発のリスクを軽減できる可能性があると期待している。(3) ヒトを対象にした研究では、手術前の患者の酸化ストレス病態が、手術後の回復過程に大きく影響していることを発見した。現在、それを確認するために、より大規模な集団で検証中である。さらに、麻酔法や手術法を工夫することで、手術後の回復過程を促進あるいは改善できないか研究を始めている。(4) 重症患者の新しい麻酔管理法についての臨床試験に入っており、現在のところ一定の成果が見られている。症例数が集り次第、詳細な解析作業に取りかかる予定である。(5) 以上の研究成果について、その途中経過のいくつかを、論文および学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
麻酔科は、全国的に見てもマンパワーが不足している。大学病院と言ってもそれは同じであり、常に膨大な臨床業務をこなしながら研究を行っている。そのため、研究に十分な時間を当てることができない。
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Strategy for Future Research Activity |
休日、夜間を最大限に活用し研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬や動物の購入費、および、当研究室では解析できない検体の外注検査に使用する計画である。さらに、一定の結果がまとまれば、海外の学会で発表したいと考えており、その発表のための旅費にも使用する計画である。また、研究に使用しているコンピュータが老朽化しており、故障が頻発するようならば、新規に購入する。
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