2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592313
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
苗村 潔 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (90302752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 耕平 岐阜大学, 工学部, 助教 (40580056)
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Keywords | 黄色靭帯 / 有限要素解析 / 動的粘弾性 / 引張試験 / ヤング率 / Ogdenモデル / 冷凍 |
Research Abstract |
冷却により硬膜外穿刺の際に、ヒト黄色靭帯の伸展変形が抑制されるかを知るために、1)ブタ黄色靭帯の粘弾性の温度特性計測、2)ブタ黄色靭帯の引張試験の再現性を高める改良、3)1)2)で得られた結果を基にした有限要素解析を実施した。 1)粘弾性の温度特性計測では、ブタ黄色靭帯を直径5mmの円板形状に切り出し、動的粘弾性測定機(東京都産業技術支援センター所有の機器を利用)を用いて、-10~20℃の範囲で圧縮試験を行なった。その結果、弾性率E'が常温時の1MPaに対して、-3℃で常温時の10倍、-10℃で常温時の100倍となった。 2)引張試験の改良について、試験片の切り出しに金属製の型と炭酸ガスレーザ(既有設備)を用いた。その結果、試験片の断面積が1.64±0.23mm2と型を使わない場合と比べて揃えることが可能となったが、ヤング率は1.03±0.53MPaと再現性の向上は見られなかった。また、炭酸ガスレーザは試験片を委縮させる問題があった。 3)有限要素解析は、Ogdenモデルで黄色靭帯の応力ひずみ線図を同定したパラメータを用いて、針と同様に先端が尖った棒材を黄色靭帯の平板モデルに押し当てた時のMises応力をMSC.Nastran sol600により計算した。その結果、常温で30mm変形する時のMises応力で針が貫通すると仮定すると、黄色靭帯が-3℃の時には伸展変形量が56%低減、-10℃では80%低減しうることが示された。
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