2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しい神経障害性疼痛治療薬としてのカリウムチャネル開口薬の行動薬理学的研究
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23592316
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原 幸治 産業医科大学, 医学部, 講師 (20331001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原西 保典 産業医科大学, 医学部, 講師 (90449942)
片岡 和史 産業医科大学, 医学部, 助教 (70441839)
中村 元洋 産業医科大学, 医学部, 助教 (30461578)
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 教授 (60128030)
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 行動薬理学 / 脳室内投与 / 鎮痛薬 |
Research Abstract |
神経障害性疼痛には有効な治療薬は無く新しい治療薬の開発が望まれている。Kチャネルは中枢神経系において抑制性に作用し分布特異性をもつ多種類のサブタイプが存在するため開口薬には侵害受容伝達を選択的に抑制する理想的な薬物のターゲットとして期待でき る。本年度は神経障害性疼痛に対する脳での効果を検討した。Bennett and Xieの方法により雄Sprague-Dawley(SD)ラットを麻酔下に大腿骨上の皮膚を切開し、左側の坐骨神経を4.0-silk糸で4箇所緩く結紮し、CCIラットを作製した。続いて脳室内投与を行うため21Gガイドカニューレを右側脳室にの頭蓋骨から4.0mm留置した。処置1週間後、患肢に機械的痛覚過敏、熱的痛覚過敏、冷的痛覚過敏が発現した。Kチャネル開口薬のBL1249(K2P)、NS1643・DIDS・L-364373(以上KV)、NS1619(BK)、CyPPA・SKA31(以上SK)を用いた。熱的痛覚過敏(プランター試験)、機械的痛覚過敏(フォンフライ試験)、冷的痛覚過敏(コールドプレート試験)に対する各薬物の作用を評価した。薬物は1,10,50mg/ml DMSO溶液を10microL投与した。NS1619とSKA31は用量依存性にフォンフライ試験とコールドプレート試験での機械的痛覚過敏と冷的痛覚過敏を抑制したがプランター試験による熱的痛覚過敏には影響を与えなかった。その他の薬物は効果が見られなかった。これらの薬物については投与量の再検討が必要である。本年度の研究結果から脳内においてNS1619とSKA31は神経障害性疼痛に対する鎮痛作用を発現することが示唆された。
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Research Products
(3 results)