2013 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌VHL遺伝子異常解析によるHIF蛋白の発現予測と分子標的薬の効果予測法の開発
Project/Area Number |
23592334
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
執印 太郎 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (70128601)
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Keywords | VHL遺伝子 / 腎癌 |
Research Abstract |
我々は約300例の腎癌症例を保存しており、VHL遺伝子異常が解析され、患者の予後も同定している。本研究では予後の確定した腎癌から典型的なVHL遺伝子変異を選び、VHL遺伝子をknockoutしたマウスES細胞内にヒトの変異したVHL遺伝子を導入して、VHL複合体を作成して機能解析を行い純粋に変異VHL遺伝子の機能を解析することである。 VHL遺伝子変異によるHIF1a, HIF2aの発現や蛋白量を定量的に解析することを目的としている。これにより採取的にはVHL遺伝子異常で判断できる分子標的治療薬の効果予測法を確立することである。マウスのVHL double knockout個体から、細胞培養を行いタモキシフェン誘導により、VHLdouble knockout mouse embryonal fiborblast(MEF)を作成した。この細胞の作製が予測したより非常に困難であり、2年以上の研究期間を必要とした。 VHL-f/d、Cre+のMEFに、4-hydroxytamoxifenを添加し、VHLがdeleteされる条件をGenotyping PCR法を用いて評価した。その結果でVHL double knockout(MEF)細胞の確立を最終的に確認した。まず、VHLをdouble knockoutしたMEFの2つの株であるMEF-1およびMEF-2に、ヒトVHL-mutant遺伝子を導入して強制発現させ、そのHIFmRNA発現に対する効果をRT-PCRを行い確認した。その結果、コントロールでは確認されなかったHIF1aの発現がVHL mutantであるVHLP86A1mutantの導入にて減少していることが確認された。その他のVHL mutant(VHL-Y98C, VHL-I151T, VHL-I151S, VHL-R157W, VHLR167Q)では確認されなかった。これによりはVHLの一部のmutantには直接HIF1aのmRNA発現をコントロールする機能があることが確認された。この結果は高酸素状態のみで確認された。 さらに蛋白レベルでもこの確認を行う予定である。本年は研究の最終年であるが、VHL double knockout MEFの作製に約2年半を必要としたため、この結果のみが明らかとなった。
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