2012 Fiscal Year Research-status Report
新規発癌関連遺伝子の探索を目指した光力学診断偽陽性尿路上皮の網羅的遺伝子解析
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23592335
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
井上 啓史 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (00294827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 賢司 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (50464384)
執印 太郎 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (70128601)
小倉 俊一郎 東京工業大学, フロンティア研究機構, 准教授 (90343160)
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Keywords | 膀胱癌 / 光力学診断 / アミノレブリン酸 / 偽陽性病変 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
新規光感受性物質である アミノレブリン酸を用いた光力学診断は、癌細胞を赤色に蛍光発光させることにより、従来の白色光による診断法と比較して診断感度が高く、内視鏡的非可視病変の発見に有用である。しかし一方、特異度が低く、その偽陽性病変の取扱いが問題となっている。我々は、膀胱癌に対する光力学診断において、蛍光を発光する病理学的非癌組織(偽陽性病変)が潜在的遺伝子異常を有する“遺伝子レベルの前癌病変”であるという仮説を立脚した。 そこで、本研究は、アミノレブリン酸を用いた光力学診断を行い、蛍光陽性癌部、蛍光陽性非癌部(偽陽性病変)、蛍光陰性非癌部から各々研究検体を採取し、網羅的に遺伝子発現解析を行い、プロファイルを作製する。データ解析(クラスター解析等)により各々検体(3群)を分別する遺伝子を抽出し、偽陽性に関連する責任遺伝子(群)、発癌に関連する未知の遺伝子(群)の同定について比較検討を行い、さらに同定した責任遺伝子に関する機能解析にて裏づけ検証を行うというものである。 本年度の研究期間で、アミノレブリン酸を用いた光力学診断を実施した膀胱癌症例、特に蛍光発光する病理学的非癌病変(偽陽性病変)を有する症例において、蛍光陽性癌部、蛍光陽性非癌部(偽陽性病変)、蛍光陰性非癌部から各々研究検体を採取した。今後、引き続き検体を集積するとともに、採取した研究検体を用いてcDNA Microarrayによる網羅的遺伝子発現解析を行い、プロファイルを作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究期間の現時点までで、アミノレブリン酸を用いた光力学診断を実施した症例の中で、蛍光陽性非癌部 (偽陽性病変)を示す症例が少ない。そこで、引き続き検体を集積するとともに、採取した蛍光陽性癌部、蛍光陰性非癌部の網羅的遺伝子発現解析を実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、アミノレブリン酸を用いた光力学診断を行い、蛍光陽性癌部、蛍光陽性非癌部(偽陽性病変)、蛍光陰性非癌部から各々研究検体を採取し、網羅的に遺伝子発現解析を行い、プロファイルを作製するというものである。今後、引き続き検体を集積するとともに、蛍光陽性非癌部(偽陽性病変)を有さない症例においても、蛍光陽性癌部および蛍光陰性非癌部の2群のみの研究検体でも、発癌に関連する未知の遺伝子(群)の同定について比較検討を行うことは可能であると考え、さらなる検体採取を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後、引き続き検体を集積するとともに、網羅的遺伝子発現解析を実施を進める予定であり、加えて、結果報告として学会発表に係る費用も計上する。
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