2012 Fiscal Year Research-status Report
自然炎症を基盤とした前立腺癌の進展におけるミッドカインの役割解析
Project/Area Number |
23592336
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井川 掌 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40295069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英樹 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40235122)
大仁田 亨 長崎大学, 大学病院, 講師 (50452850)
竹原 浩介 長崎大学, 大学病院, 助教 (40580345)
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Keywords | 前立腺癌 / ミッドカイン / LNCaP細胞 / 自然炎症 |
Research Abstract |
「研究の目的」 本研究の目的は前立腺癌のアンドロゲン非依存性増殖およびその進展に関わる因子の候補としてMK(ミッドカイン)の役割を解析し、最終的には臨床で最も問題となる去勢抵抗性前立腺癌の診断・治療に結びつくような知見を得ることにある。平成24年度はまずは23年度に得られた結果をさらに確認することに重点を置いて研究を進めた。 「研究の成果」①条件設定に関する実験:前回までに設定できたMKの1次抗体としてE社抗体を用いてウェスタンブロットでの検出再現性の確認を行った。やはり、MKリコンビナント蛋白のポジティブコントロールに比較すると前立腺癌細胞株での発現は各種感度増幅を試みるも全体にかなり弱い発現であった。しかしおおむねシングルバンドとして検出が可能な状態となった。細胞株の種類に関してはやはりLNCaP細胞で(+)、PC-3、DU145細胞で(-)であり、以上の結果から、以後の実験にはLNCaP細胞を主に使用することとした。②LNCaP細胞に対する各種刺激時におけるMK発現変化に関する実験:前年度までの結果に基づき、DHTおよびEGF添加による発現変化を検討した。DHT10nMによりコントロールに比較して軽度の発現増加が認められたが、その程度はわずかである。用量および時間依存性に関しては検討を継続しており、今回明確な結論を得るには至らなかった。EGFに関しても同様で、やはり10分後の早い時間帯での発現上昇傾向が認められたが、これもその程度はわずかであり、再現性の検討が必要である。 発現の程度が低いものの、なんらかの増殖刺激によるMKの反応は観察されるようであるがその詳細は未確定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再現性の確認を鋭意行ってきたが、全体としての発現レベルが低いため、その詳細の解析および次のステップへの進行がなかなか難しい状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られた条件下での検討においては、添加刺激の方法を増殖刺激から次の目標であるストレス刺激において検討を開始する。ただし、発現レベルがやはり低い可能性も十分考えられるので、同時に入手可能な他の種類の抗体などの使用も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続き主として試料作製や発現解析のための各種試薬および消耗品などに使用する予定である。
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