2011 Fiscal Year Research-status Report
癌抑制因子ATBF1の細胞内局在をバイオマーカーとする膀胱癌悪性度診断法の開発
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23592343
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
川口 誠 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50204699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 裕 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90285198)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | ATBF1 / 膀胱癌 / 免疫組織化学 / 神経発生 / 転写因子 |
Research Abstract |
1、新しい抗体作製:ATBF1は404-kDa の巨大なタンパク質である。しかし癌細胞中では分子量の小さな異常断片として存在している可能性がある。異常断片を検出するために1種類の抗ATBF1抗体だけでは不十分である。そこでATBF1のN末端からC末端までの全長を網羅するように19箇所のペプチド抗原を作製した。2、WHO分類の再検討(川口担当):膀胱癌症例1997年1月~2006年12月の10年間に新潟労災病院泌尿器科で実施した病理組織検査173症例の中から、尿路上皮癌(移行上皮癌)以外の症例を除外した。さらに初発時からの経過が明らかな症例だけに限定して解析した。最終的に144症例の尿路上皮癌症例を選択し病理診断を統一するためにWHO分類ですべての標本を再評価した。3、組織標本の作製(川口担当):同一症例であっても進達度異なる部位では、病理組織型が異なる傾向があるので、予後ともっとも相関関係が強い最深部(進達度の深い部分)から得られた組織切片を、その腫瘍を代表する組織として選択して評価用サンプルとした。4、Western Blottingによる検討(三浦担当):ATBF1全長のcDNA発現ベクターを遺伝子導入したHEK293T細胞を陽性コントロールとしてWestern blot分析で抗体の特異性を確認した上で、病理組織検定用の抗ATBF1抗体として実用性を評価するためにE14ラット脳神経組織標本を陽性コントロールとして評価して8種類の抗ATBF1抗体を選択した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
19カ所の抗体作製、その中から Western blotting で評価を終了し、ラットの神経組織で使用可能な9種類の抗体をピックアップ出来た。また病理学的な組織評価をやり直し、免疫組織化学用の切片を準備出来た。しかしながら、実際の膀胱癌での染色条件設定、抗原賦活法の決定などの課題が解決しておらず、全体としては75%の達成度と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1、抗原賦活法の検討(川口担当)をする。病理組織標本はホルムアルヘヒド固定の標本作製処理が行われているために免疫組織化学解析で抗原が認識されにくい問題を回避するために、加熱処理(圧力ガマあるいはオートクレーブ)による抗原賦活化処理の条件を設定する。2、抗ATBF1染色の特異性および感度の検定を行う。理想的な陰性コントロール組織として ATBF1 KO mouseが活用できるように準備する。3、特異性の高い抗体のモノクローナル化を考える。4、選択した膀胱癌症例(144症例)の免疫組織学的染色を行い、予後との関連を検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1、ATBF1 KO,マウス作り(プラスミド作製等)2、マウスの飼育、購入3、モノクロナル抗体の作製4、免疫染色解析試薬の購入(キットや関連試薬等)5、技術指導の講演を依頼するための謝金
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Research Products
(4 results)