2013 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤性膀胱がんの発生に関わる遺伝子UQCRBの同定とその機能解析
Project/Area Number |
23592344
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
秋田 英俊 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10381782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
橋本 良博 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40244561)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)
|
Keywords | 膀胱がん / UQCRB / コピー数 |
Research Abstract |
遺伝環境背景の統一された動物モデルを用いて、膀胱がんにおけるゲノムの不安定性を調べることでヒトの発がん関連遺伝子を推察することを目的として以下の研究を行った。0.05%BHBNを自由飲水投与することで、マウスではヒトにおける浸潤性膀胱がんを作成し、これらの主要組織より抽出したDNAより、オリゴヌクレオチドマイクロアレイCGHによるcopy number aberrations(CNA)のゲノム網羅的解析を行った。浸潤性膀胱がんマウスでは異なる5か所の染色体領域でCNAが認められ、すべて増加を示していた。この結果より、浸潤性膀胱がんにおけるゲノム不安定性に基づいたコピー数変化が確認されたため、その領域に含まれる遺伝子につき検討したところ、少なくとも1コピー以上の増加を示した遺伝子は4つあり、その中でヒトとの相同性を示したものはUQCRBのみであった。そのUQCRBにつき膀胱がんマウスで継時的な変化を見たところ発がん早期にコピー数、タンパク発現ともに増加を認めた。UQCRBタンパクはiNOSと類似した発現を示した。ヒト膀胱全摘標本ではUQCRBのコピー数は深達度が高くなるにつれ減少する傾向であった。そのことよりUQCRBは膀胱がんにおいてはがんの進展過程のより早期に増加を示し進展のきっかけとなることが推測された。他のがん種ではUQCRBは低酸素状態を感知し活性酸素種を産生し、血管新生に関与することが報告されているため、膀胱がん細胞株を用いてUQCRBをノックダウンし低酸素状態で培養することで機能解析を行ったところ、悪性度の低いRT4ではHIF1aの発現が低下したことより膀胱がんにおいても同様の役割をはたしていることが推測された。以上の結果より膀胱がんにおいてUQCRBががんの進展に関与しており、UQCRBを標的とした治療の可能性が示唆されたと考える。
|
Research Products
(1 results)