2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592349
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊地 栄次 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10286552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00213885)
宮嶋 哲 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90245572)
田中 伸之 慶應義塾大学, 医学部, 講師(非常勤) (60445244)
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Keywords | 尿路上皮癌 / 抗癌剤 / シグナル伝達 / 喫煙 |
Research Abstract |
本年度はより詳細なニコチン曝露によるpAktの変化を確認した。膀胱癌細胞株T24を用いてin vitroにニコチン曝露を行ったところ、Aktのリン酸化の上昇が確認された。次いでニコチン曝露を行った際の細胞増殖の変化を検討した。ニコチン非曝露群と比較して、5μMおよび10μMのニコチン曝露群において有意にT24細胞の増殖能の亢進が確認された。さらにニコチンによる増殖促進能をin vivoで検証した。膀胱癌皮下腫瘍モデルにニコチン 1mg/kgを週3回腹腔内投与した。ニコチン非投与群に比べて有意にニコチン投与群で腫瘍サイズの増大が確認された。 NF-kappaBの強力な阻害剤:dehydroxymethylepoxyquinomicin (DHMEQ)を用いてT24シスプラチン耐性株(T24PR)に対する殺細胞効果を検討した。T24PR株において10μg/mLのDHMEQにより2から6時間でNF-kappaB活性が消失した。次いでT24シスプラチン非耐性株(T24N)ならびにT24PR株に対しin vitroに各種濃度のDHMEQを48時間暴露し細胞増殖の変化を検討した。T24NならびにT24PR株ともに濃度依存性に細胞増殖抑制が認められたが、T24PR株のIC50 は6.9μg/mlで、有意にT24N株(17.3μg/ml)と比較し低値であった。In vivoの検証としてBALB/cヌードマウスを用いてT24PR株を皮下に移植し2mg/kgのDHMEQを連日腹腔内投与した。コントロール群に比べて有意にDHMEQ投与群で抗腫瘍効果が認められた。 また膀胱癌肺転移モデルを用いて、DHMEQの転移抑制効果の可能性を検討した。In vivoにおいて高率に肺転移を起こすマウス膀胱癌株MBT-2variant細胞をC3H/Heマウスに尾静注し、膀胱癌肺転移モデルを作成した。8mg/kgのDHMEQを腫瘍移植3日目より連日腹腔内注入し、22日目に肺転移巣数を計測した。8mg/kg治療群(肺転移数=98.8±21.6)は無治療群(肺転移数=170.8±29.6)に比べて有意に肺転移が少なかった。
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Research Products
(2 results)