2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592357
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三井 貴彦 北海道大学, 大学病院, 助教 (90421966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々村 克也 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60113750)
田中 博 北海道大学, 大学病院, 講師 (60344470)
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Keywords | 間質性膀胱炎 / サイトカイン / ラット / マウス / 下部尿路閉塞 |
Research Abstract |
間質性膀胱炎は膀胱内への尿の貯留に伴う強い膀胱痛を来す疾患であるが、その発生機序は不明な点が多い。まず、GFP陽性の骨髄細胞を移植したキメララットを用いて、塩酸による膀胱炎モデルを作製し、膀胱炎モデルにおける骨髄由来細胞の役割について検討した。膀胱炎モデルでは、骨髄由来細胞の膀胱への遊走は認めるものの、膀胱組織細胞への分化は認められなかった。以前の検討から、骨髄由来細胞の膀胱への遊走にはSDF-1などのサイトカインが関与しているものと考えられた。 続いて、ルシフェラーゼアッセイによる測定法、フローサイトメトリーによるEGFPシグナルの測定法用いたNF-KB活性の定量を行うためにNF-KB Tgマウスの作成を行ったが、安定した結果が得られず、十分な成果が得られなかった。 一方、下部尿路機能障害のモデルの一つである下部尿路閉塞モデルと用いて、代表的な急性期の炎症性サイトカインであるIL-1βが下部尿路閉塞後の膀胱の形態学的・機能的変化に関与について、IL-1βノックアウトマウスを用いて検討した。下部尿路閉塞膀胱ではIL-1βがIGF-1発現亢進を通して膀胱平滑筋の過形成に関わっており、膀胱機能検査においても膀胱容量や排尿時圧といった尿流動態のパラメータに変化を及ぼすことが明らかになった。また、IL-1βはTGF- βの発現を亢進させており、TGF-βは後述するように臓器の線維化にかかわる成長因子であることから、下部尿路閉塞後の膀胱の末期の状態としての膀胱壁の線維化においてもIL-1βが役割を担う可能性が考えられた。 以上より、本来の目的であった膀胱炎の状態をNF-KB活性レベルを検出する膀胱イメージングによってリアルタイムに観察することができなかった。今後のさらなる検討が必要である。
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Research Products
(6 results)