2013 Fiscal Year Annual Research Report
低活動膀胱の画期的治療法の基盤的研究-トロポニンシステムの構築を中心として-
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23592371
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶岡 俊一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (90274472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 晋介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30192230)
米満 吉和 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40315065)
高橋 富美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50274436)
松田 美穂 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40291520)
関 成人 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (90294941)
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Keywords | 排尿筋 / トロポニン / 平滑筋 / 筋収縮機構 / 排尿機能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、未だ不明な点の多い平滑筋の収縮調節の分子機構を、平滑筋での心筋型トロポニンTの発見を足がかりとして、その生理学的意義を探りながら、平滑筋にトロポニン収縮システムを新規に構築して、機能不全に陥った平滑筋疾患の改善、復活を目指す臨床応用の基盤的研究とすることである。平成23,24年度の研究により、ヒト膀胱排尿筋では、すべてのタイプのトロポニンTと、骨格筋遅筋型のトロポニンIも蛋白レベルで発現していることを確認した。また、さらに平滑筋特有の収縮関連蛋白であるカルポニン、カルでスモンの発現もwestern blotting法を用いて確認したので、これらのトロポニン分子と、平滑筋特有の収縮関連蛋白の結合性さらには、収縮性を確認すべく、バイオレイヤー干渉計 (Biolayer interferometry: BLI)を使用して計測した。タンパク質間の比較的弱い結合・解離は、ビアコアや水晶発振を用いて、従来、調べられていたが、前者は結合物質固定や流路の維持管理が煩雑で、未知の物質を探索する目的には利用しづらい安定した計測が難しく、後者の水晶発振を用いてみたが、安定した計測が困難であったので、今回は、BLIを使用しリガンドとしてトロポニンIを使用し、アナライトとしてトロポニンT、及びトロポニンTと相同性の高いHSP (ヒートショック蛋白)の予備的計測では、ノイズが少なく安定した結果が得られ、HSPはトロポニンTと比較して、1/4程度の結合力を有していることがわかった。故に、トロポニンは、カルポニン、カルデスモンなどの平滑筋特有の収縮関連蛋白との結合し、新規の収縮機構を有している可能性も示唆された。
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