2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト外尿道括約筋に高発現するサイトカイン・シグナル伝達関連遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
23592372
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
三股 浩光 大分大学, 医学部, 教授 (60219714)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文憲 大分大学, 医学部, 准教授 (30305049)
住野 泰弘 大分大学, 医学部, 講師 (30325716)
森 健一 大分大学, 医学部, 助教 (00579013)
|
Keywords | 外尿道括約筋 / 尿失禁 / サイトカイン |
Research Abstract |
① TGF-βの外尿道括約筋衛星細胞に及ぼす影響の検討。H23年度に引き続き,TGF-βの検討を行った. (1)Apoptosisの検討:Flowcytometryを用いcell cycleの解析を行ったところ,TGF-βによりG0/G1への細胞の蓄積を認めたが,sub G0/G1への集積は認めなかった.caspase familyの活性をwestern blotで検討したが,cleaved caspase3の増加等,apoptosisを示唆する所見を認めなかった.骨格筋においてTGF-βによるapoptosis誘導の報告もあるが,今回の結果よりcell cycle progressionが抑制されていることが判明した.(2) non-Smad signalの検討:Smad以外のsignal pathwayの重要性も報告されており,検討したところ,JNKリン酸化の一過性の亢進を認めた.今後更なる検討を予定中である.(3)分化についての検討:各種MRFsの発現の変化についても検討を行った. ② 各種adipokineの検討 外尿道括約筋は他の骨格筋と比較して間質の増生や脂肪変性が顕著であり,adipokineの影響を考慮し外尿道括約筋衛星細胞での検討を行った. (1)Adiponectin:adiponectionは抗炎症作用等を有する分泌タンパクである.外尿道括約筋衛星細胞において増殖,分化につき検討を行ったが,有意な変化は認めなかった.(2)leptin:leptinは食欲や代謝を制御するペプチドホルモンである.筋への影響が報告されているも,外尿道括約筋衛星細胞において明らかな効果は認められなかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最近になり,TGF-β (及びその関連物質が) はSUI model ratでvaginal ballooning後に発現が更新することが報告されている.しかしながら,TGF-βの上昇とSUIの発症を直接結びつける知見はこれまでになかった.今回我々の検討の結果,TGF-βが外尿道括約筋衛星細胞の増殖,分化を抑制すること,つまりTGF-βの上昇が外尿道括約筋の再生を抑制しうることが明らかとなった. 今後は他の成長因子,各種サイトカイン等含めて,外尿道括約筋での関連が考えられる各moleculesについての検討を継続する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き各種炎症性サイトカインについての検討を行う予定である. 最近になり尿道損傷modelでのdynamicなsignal moleculesの変化に対する知見が蓄積されてきている.炎症性サイトカイン及び各種成長因子 (骨格筋においては最近になりbFGFがlong termでの骨格筋幹細胞の維持に影響することが報告された) を中心とし,まずは外尿道括約筋との関連が考えられるものを検討する予定である.方法としては,ヒト外尿道括約筋組織及び長寿化ヒト外尿道括約筋衛星細胞を用い,各種moleculesの直接作用や,レセプターを含めて発現の変化等を検討する予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究経費は800 (千円) を当初計画しており,基本的には当初の計画に従う予定である.今年度も上記のごとく実験を継続するにあたり,各種消耗品が必要となるが,今年度の研究費は予定通り主として消耗品の購入に当てる予定である. 消耗品としてTransfection kit, Ham’s F-10等培養関連の物品, 各種リガンド,アポトーシス関連抗体を当初の計画で使用予定としていた.ただし,基本は消耗品であるため(これまでの実験で購入したもの,あるいは実験の経過から不要になったものもあるため),今年度の必要分を適宜追加で購入する予定である.また,各種リガンド,抗体及び下記に示す消耗品は,上記研究を継続する上で必要となるため,実験の結果により必要に応じて購入を予定している.その概要は下記に示すとおりである. 各種分泌タンパク,ペプチドホルモン,サイトカイン及びそれらに対する抗体.Signal pathway解析用の試薬.また各種signalの阻害剤,及び上記に対する中和抗体.qPCR用primer. Western blot, light cycler, immunohistochemistry, flow cytometry関連の消耗品.細胞培養の消耗品 (media, serum, antibody, plate, dish等).
|
Research Products
(1 results)