2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト外尿道括約筋に高発現するサイトカイン・シグナル伝達関連遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
23592372
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
三股 浩光 大分大学, 医学部, 教授 (60219714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文憲 大分大学, 医学部, 准教授 (30305049)
住野 泰弘 大分大学, 医学部, 講師 (30325716)
森 健一 大分大学, 医学部, 学内講師 (00579013)
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Keywords | 外尿道括約筋 / 尿失禁 / サイトカイン |
Research Abstract |
(目的)加齢に伴うTNF-αを中心とした炎症性サイトカインの発現の変化が実際に尿禁制機能低下を惹起し、腹圧性尿失禁の発症に影響するかを検討した。 (方法)繁殖リタイアラットを経産ラットとして2群にわけ(6カ月、14か月)、未産ラット(2カ月)をコントロールとして1) 機能解析:失禁圧、尿道基線圧、膀胱圧上昇時の尿道反応、及び2) 分子生物学的解析:real-time RT PCRによる尿道組織における各種炎症性サイトカイン及び細胞外マトリクスのmRNAの発現 (結果)1) 機能解析:失禁圧、尿道基線圧は14カ月群において有意に他群と比較して低下していた。膀胱内圧上昇時の尿道反応は他群と比較して低下する傾向にあったが有意差は認めなかった。 2) 分子生物学的解析:炎症性サイトカインである TNF-α,IL-1b,IL-6,cox-2のmRNAの発現は6カ月群において2カ月群と比較して上昇が認められたが14カ月群では低下しており2カ月群とは有意差は認められなかった。一方、細胞外マトリクスの代謝産物であるCol1a-1, Col3a-1, LOXのmRNAの発現は6カ月群において2カ月群と比較して上昇する傾向が認められ、14カ月群においてこれらのmRNAの発現は他群と比較して有意な低下が認められた。 (本年度研究のまとめ)加齢に伴い経産ラットの尿禁制の低下が認められ、外尿括約筋を含む尿道の閉鎖機能不全によるものが原因として考えられた。尿道組織におけるTNF-αを始めとする炎症サイトカインの加齢に伴う発現の亢進は認められなかったが、細胞外マトリクス関連物質の発現は加齢に伴い低下していた。経産婦の加齢に伴う腹圧性尿失禁の病因の一つに尿道の細胞外マトリクスのリモデリングの低下による尿道支持機構の減弱が考えられた。一方でTNF-αを始めとする炎症サイトカインの関については今回証明できなかった。
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Research Products
(2 results)