2011 Fiscal Year Research-status Report
過活動膀胱の発生と前立腺におけるニューロモデュレーションシステムの解析
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23592373
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
相川 健 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80295419)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アンジオテンシンII |
Research Abstract |
12週齢のオスSDラットから前立腺を摘出し、オルガンバス内でマイクロダイアライシス法を用いて経壁電気刺激時のノルアドレナリンを回収し、高速液体クロマトグラフィーで放出量を測定した。それぞれの前立腺切片でのコントロールの放出量を100%として0.0001µMから0.1µMアンジオテンシンIIの前処置後の放出量と比較した。アンジオテンシンIIの0.001µMの前処置より濃度依存性にノルアドレナリンの放出量が105%から118%まで有意に増加していた。このノルアドレナリン放出の増加はアンジオテンシンIIタイプ1受容体遮断薬であるロサルタン同時投与でほぼ抑制された。アンジオテンシンIIは、前立腺においてタイプ1受容体を介してノルアドレナリン放出の調整に関与していると考えられた。前立腺の収縮は、ノルアドレナリンによるα1受容体を介した作用であり、アンジオテンシンIIによる局所ノルアドレナリン放出量の増加は、前立腺の収縮反応すなわち排尿障害を強めている可能性が示唆された。また男性下部尿路症状の蓄尿症状にもα1受容体遮断薬が有効であることから、アンジオテンシンIIによる局所ノルアドレナリン放出量の増加は、蓄尿障害へも影響すると考えられた。今後特に蓄尿機能への前立腺アンジオテンシンIIの役割を検討予定だが、アンジオテンシンIIタイプ1受容体遮断薬の前立腺肥大症での治療薬としての位置づけを確立したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東日本大震災により、これまで通常稼働していた研究室の機器に損傷見られ、それらの修理、および研究の事実上の再開までに時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
12週齢オスSDラットを使い前立腺局所に0.001µMから0.1µMのアンジオテンシンIIを急性投与し求心性刺激の活性化と膀胱機能への影響を明らかにする。同様にミニ浸透圧ポンプを使用して前立腺局所にアンジオテンシンIIを慢性投与し、膀胱機能への影響を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の一部は本年度に施行予定であったが、震災の影響で実験開始が遅れたため一部次年度に繰り下げて行うこととなった。
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