2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592381
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
久末 伸一 帝京大学, 医学部, 講師 (90404673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 久満 帝京大学, 医学部, 准教授 (00301383)
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Keywords | 海綿体神経 / 神経再生 / 勃起能 / 根治的前立腺摘除術 |
Research Abstract |
本研究の目的は根治的前立腺摘除術後のラットモデルにおいて加齢がいかに海綿体神経(副交感神経)損傷後の機能回復の低下につながるかのメカニズムを明らかにするとともに、将来的に高齢男性における海綿体神経損傷の早期機能回復を促進ことである。神経損傷後の勃起能回復は年齢によって異なることが、臨床上明らかになっている 。これまで我々は若年モデルと加齢モデルの雄ラットを用 い、海綿体神経損傷後の勃起能を骨盤神経電気刺激による海綿体内圧測定にて評価することができた。また、若年ラットにおいてパートナーを頻回に交代させるクーリッジ効果を狙った共棲モデ ルで勃起能回復が促進する結果が得られた。 我々はこれまでに海綿体神経を剥離するだけの海綿体神経損傷ラットモデルを用いてIL-6を中心とした炎症反応が勃起能回復遅延に関与している可能性を報告してきた。数種の植物エキス複合製剤であるエビプロスタットには抗炎症作用があることが知られている。本薬剤による副作用は軽微で高齢者にとっては有用なリハビリ補助薬となる可能性がある。今年度、同薬剤の海綿体神経機能回復に与える影響について検討を行った。術後4週目でラット海綿体神経の電気刺激による勃起誘発により海綿体内圧/血圧(ICP/BP)測定を行ったところ、対照群では0.573±0.059であった。海綿体神経損傷群は0.235±0.031であったのに対し、エビプロスタット群では0.367±0.043と有意な勃起能回復を認めた。(p=0.035, t-test) エビプロスタットを術前から内服することで海綿体神経損傷後の勃起能障害は有意に改善した。エビプロスタットによる勃起能回復のメカニズムとしては抗酸化作用が第一に考えられる。今後、メカニズムについて明らかにするとともに、加齢モデルを用いてこれらの薬剤の加齢ラットにおける効果を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
nNOSノックアウトマウスによる加齢の神経再生への影響とメタボリック症候群を含め、さまざま な疾患、病態と海綿体神経機能回復とを検討する研究計画の補正と追加が平成24年度の計画であった。当初の予定であったノックアウトマウスの利用については達成できなかったが、その後、加齢ラットにおける海綿体神経の機能回復を促す方策としてPDE5阻害薬や植物エキス製剤の投与による陰茎リハビリテーションの可能性について検討を行う事ができた。その結果、PDE5阻害薬と植物エキス製剤によって勃起能回復を促すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
加齢による神経機能回復の低下において性交回数やリハビリテーションが重要であることが明らかとなった。性交のモチベーションに関与し、さらに海綿体神経のnNOS活性や海綿体平滑筋において重要な役割を担っているのがテストステロンである。加齢によりテストステロンが低下することから、テストステロン補充によって海綿体神経機能回復を促すことができる可能性がある。これまでの検討結果をふまえ、加齢ラットとヒトの血清テストステロン値と勃起能回復の関連についても今後検討を進めて行く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
テストステロン測定費用、免疫染色、ウェスタン・ブロッティング法のための抗体。SHBGおよびDHT測定費用 昨年度購入予定であった以下の物品に関しては、人員の不足から購入できなかったことから繰越金を用いて本年度購入することとする。 海綿体内圧測定のための新規測定機器。Powerlab8/35データ収録装置。4連 ブリッジアンプ、ディスポ血圧トランスデューサ。海綿体神経電気刺激装置。
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[Journal Article] Maintenance therapy with intravesical bacillus Calmette-Guerin in patients with intermediate- or high-risk non-muscle-invasive bladder cancer.2013
Author(s)
Muto S, Nakajima A, Horiuchi A, Inoue M, China T, Saito K, Isotani S, Hisasue S, Yamaguchi R, Ide H, Horie S.
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Journal Title
Jpn J Clin Oncol.
Volume: 43
Pages: 305-313
DOI
Peer Reviewed
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