2013 Fiscal Year Research-status Report
血液型不適合移植後に認める血液型抗原キメラについての解析
Project/Area Number |
23592384
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石田 英樹 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60246543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 一成 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80188359)
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Keywords | 抗体関与 / 慢性拒絶反応 / 血管キメラ / 腎臓移植 / 長期生着 / 免疫寛容 / 血液型不適合 |
Research Abstract |
移植後の移植腎臓が喪失する第一の原因は慢性拒絶反応による抗体関与型反応である。われわれは今回の実験の対象を慢性拒絶反応を起こした患者の移植腎生検サンプルより血管壁に特殊免疫染色を施すことにより、どのような免疫反応が起こっているのか、調べた。 その結果、移植腎血管で障害を起こした部位にはレシピエント側の抗原が発現していた。一般にこのような微小抗原を染色することは非常に困難であるとされているが、われわれは血液型が異なる不適合移植のペアーを対象にした。血液型抗原は比較的染色が容易く、性染色体などと異なり他の影響を受けにくい抗原でもある。本来であればA型の抗原である血液型Aの移植腎の血管にはレシピエントの血液型であるB抗原も発現していた。このような1つの臓器に2種類以上の抗原が発現する現象をキメラ現象と呼ぶ。このようなキメラ減少を呈する臓器の臨床的な背景についてさらに解析してみた。キメラ減少を示す臓器は従来免疫学的な寛容状態を示す良好な免疫学的な状態にある臓器を認識されていたが、今回の我々の解析では、キメラを血管壁にしめす移植腎の機能は著しく悪かった。 1つは前述した抗体関与型の慢性拒絶反応であり、もう1つは薬剤性(特にカルシニューリンイン火ビターFK、、CYA)による腎毒性による反応であった。 今回の研究において長期にわたって生着した移植腎臓の血管における免疫反応を詳細に観察することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
論文投稿も終了しほぼ目的は達成している。今年度はさらなる論文投稿を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
手法は確立している。さらなる生検サンプルを用いて免疫染色をおこなう予定である。また同結果を用いた論文作成も取り組みたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年までの間に事業予定は終了したため。 サンプル数をふやし検討を行うかあるいは論文作成を計画している。
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