2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールはセルトリ細胞のオートファジーを増加させる
Project/Area Number |
23592386
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
EID NabilA.S. 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50570165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
伊藤 裕子 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (40148432)
神原 清人 大阪医科大学, 医学部, その他 (40298758)
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Keywords | 慢性アルコール中毒 / 精巣 / セルトリ細胞 / 精細胞 / オートファジー / ミトファジー / リポファジー |
Research Abstract |
アルコールの過剰摂取により性交不能症、精巣委縮、不妊症になることは慢性的アルコール中毒症の男性で知られている。一方、オートファジーは細胞小器官や不良タンパク質の分解のための主な代謝経路で、分解されるものは隔離膜から形成されたオートファゴソームと呼ばれる大きなvesicleに取り込まれ、lysosomeの融合により加水分解酵素によって消化される。現在、オートファジーはanti-apoptotic mechanismとして捉えられており、うまく実行されない場合にはアポトーシスにより細胞は排除されると考えられている。われわれは前年度までに、慢性的アルコール摂取によりROS(活性酸素)産生が増加、セルトリ細胞に空胞変性と脂肪滴の蓄積を引き起こし、その結果、精細胞のアポトーシス増加をまねく。しかし、精細胞を保護するセルトリ細胞自体は脂肪滴、ダメージを受けたミトコンドリアを選択的オートファジーすなわちミトファジーにより排除することで細胞死(アポトーシス)から逃れていることを報告した。本年度はcytprotective mechanismとオートファジーの観点から、somatic cellの代表としてアルコール中毒のダメージが現れやすいと考えられる肝臓について研究を進め、精巣と比較検討した。同様に慢性アルコール中毒肝を作製し、電顕観察、免疫染色(光顕および電顕的)で詳細に観察した結果、われわれは慢性アルコール中毒症の肝臓細胞でセルトリ細胞と同じくミトファアジーがcytprotectiveに働いていると考えた。また、ダメージを受けた肝細胞のミトコンドリアでは、オートファジー関連タンパクのPINK1とParkinの発現が亢進していた。セルトリ細胞は肝細胞と同じくsomatic cellであり、ミトファアジーの制御が活性酸素から回避するために重要であり、PINK1とParkinがそのkey factorと考えられる。
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