2011 Fiscal Year Research-status Report
GABA受容体による生殖細胞形成過程のメカニズムの解明
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23592387
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
神原 清人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40298758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70268192)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | GABA受容体 / 核内受容体 / 精子形成過程 |
Research Abstract |
本来、膜蛋白であるGABAA受容体α1サブユニットが実際に核内移行し転写抑制因子として働くには1. Sterol regulatory element binding proteinの様にGABAA受容体α1サブユニットの細胞外に存在するDM DNA bindingを含むアミノ末端断片が切断され、核内に移行する場合2. GABAA受容体α1サブユニットの核内移行シグナル(PEKPKKVKDP)を含んだ細胞内に存在する断片が切断され、核内に移行する場合3. カベオラの様にGABAA受容体α1サブユニット全体がゴルジさらにERを経てimportin βと結合し核内に移行する場合の3種類の仮説が考えられる。このことを調べるためSV40 transgenic mouseのcell line (type B spermatogoniaの特徴をもつcell line)に対して細胞分画を行った後、GABAA受容体α1サブユニットが膜、細胞質、核のどの部位にまたどのような状態で存在するかをWestern blottingにて確認した。また各生殖細胞に対してGABAA受容体α1サブユニットの免疫電顕を行った。<結果>Western blottingでは膜、細胞質、核どの部位ともGABAA受容体α1サブユニットの分子量全体を表すバンドがみられ、かつ吸収試験によってバンドが消失した。これらのことから切断されていないGABAA受容体α1サブユニットがそれぞれの部位に存在することが確認できた。また免疫電顕にてパキテン期及び減数分裂前のディプロテン期精母細胞において細胞質、核のそれぞれの部位にGABAA受容体α1サブユニットの反応がみられた。この結果から膜蛋白であるGABAA受容体α1サブユニットが核内移行する過程として上記の3番目に示した仮説が最も可能性が高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度の予定ではマウスGABAA受容体α1全長遺伝子の作成とc-null fibroblast cellへのtransfection 及びGABAA受容体α1の核での発現の確認を行うはずであったがDr. John M. SedivyからHO15, 19 c-myc null cell(c-myc knocked out)及びコントロールとして用いるHO15.19 cellに再度c-mycをいれたcell lineとc-myc をover-expressionさせたcell lineの供与をうけるのに時間がかかり予定通りの実験ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
供与されたHO15,19 c-myc null cell及びコントロールのcell lineにGFP-GABAA受容体α1遺伝子(購入済み)をtransfectionさせ、GABAA受容体α1サブユニットが核で発現するかを確認した後、転写に対してどのような影響を及ぼすかを検討する。さらにsiRNAを用いてGABAA受容体α1遺伝子の発現を抑制することによってその役割を解明する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
HO15,19 c-myc null cell及びコントロールのcell lineにGFP-GABAA受容体α1遺伝子をtransfectionさせ、GABAA受容体α1の遺伝子改変による機能的役割の差異を検討する。さらにsiRNAによりGABAA受容体α1遺伝子の発現を抑制し、遺伝子の抑制効果を検討する。なお次年度使用額の26,945円は、供与を受けたcell lineの維持のための培養にかかる費用として繰越したものである。
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