2012 Fiscal Year Research-status Report
GABA受容体による生殖細胞形成過程のメカニズムの解明
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23592387
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
神原 清人 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40298758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70268192)
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Keywords | GABA受容体 / 核内移行 / 生殖細胞形成過程 |
Research Abstract |
SV40 transgenic mouseのtype B spermatogoniaの特徴をもつcell lineを用いた Western blottingにより膜、細胞質、核どの部位ともGABAA受容体α1サブユニットの分子量全体を表すバンドがみられ、かつ吸収試験によってバンドが消失したことから切断されていないGABAA受容体α1サブユニットがそれぞれの部位に存在することが確認できた。さらに免疫電顕にてパキテン期及び減数分裂前のディプロテン期精母細胞において細胞質、核のそれぞれの部位にGABAA受容体α1サブユニットの反応がみられた。これらの研究成果により本来、膜蛋白であるGABAA受容体α1サブユニットが実際に核内移行し転写抑制因子として働くにはカベオラの様にGABAA受容体α1サブユニット全体がゴルジさらにERを経てimportinβと結合し核内に移行する可能性が高いことが示唆された。さらにGABAA受容体α1サブユニットが実際に核内に移行し、どのような機能役割を持つかを確認した。しかしα1サブユニットを通常のfibroblast cell lineに導入するとc-mycとの相互作用によりアポトーシスを起こすことがわかりそこでc-myc null fibroblast cellを用いたGABAA受容体α1サブユニットの実験を行うことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次年度にDr. John M. SedivyからHO15, 19 c-myc null cell(c-myc knocked out)及びコントロールとして用いるHO15.19 cellに再度c-mycをいれたcell lineとc-myc をover-expressionさせたcell lineの供与をうけた。しかし各種遺伝子導入実験を行うのにあたり提供を受けた細胞の取り扱いに対する環境条件を整えるのに当初の計画より達成度が少し遅れた。今後は供与されたHO15,19 c-myc null cell及びコントロールのcell lineにGFP-GABAA受容体α1遺伝子をtransfectionさせ、GABAA受容体α1サブユニットが核で発現するかを確認した後、転写に対してどのような影響を及ぼすかを検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
C末端側GFP挿入に関してはすでにα1サブユニット遺伝子をC末端側に挿入してあるpCMV6-AC-GFPを用いる。N末端側GFP挿入に関してはGABAA受容体α1 full length cDNA (M86566)をsubcloningした後、ネオマイシン耐性pEGFPCベクターを用いて実験を行う。さらにGABAA受容体α1サブユニットの遺伝子導入による細胞に対する影響について調べるためBiacoreを用いた転写部位の解析(ERE, c-jun, bcl-2等)やゲルシフトアッセイとクロマチン免疫沈降法によるプロモーター部位の解析を行なう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額及び平成25年度の研究費は上記のとおりc-myc null fibroblast cellを用いたGABAA受容体α1サブユニットの各種遺伝子導入実験に対して使用する予定である。
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