2012 Fiscal Year Research-status Report
精子形成遺伝子群の網羅的解析による精子形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
23592388
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
千石 一雄 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30163124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敏伸 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70360998)
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Keywords | 無精子症 / 男性不妊 / 精子形成 |
Research Abstract |
ヒト無精子症に関連する遺伝子群を同定し、精子形成メカニズム、特に精子形成時の減数分裂過程の異常を解明することを目的にこれまで研究を重ね多くの遺伝子と無精子症との関連を報告してきた。本年度はクロマチン構造の認識に関与し、細胞周期G1のイニシエターの役割を担い、かつ、ノックアウト雄マウスで無精子症を呈するLRWD1遺伝子に着目し、ヒト無精子症、特にsertoli cell only syndrome (SCOS)患者のLRWD1遺伝子異常に関し検討した。SCOS患者100例、減数分裂停止による無精子症患者(MA)30例および正常精子形成群100例を対象としてLRWD1遺伝子の異常が認められるかどうか検討を行い、以下の結果が得られた。 LRWD1のmutation解析を施行したところSCOSおよびMAによる無精子症患者にmutationは認められなかったが、3つのsingle nucleotide polymorphism(SNP1,2,3)を同定した。Genotypeおよびアレルの出現頻度の解析を行ったところ, SCOSによる無精子症患者とコントロール群の間にSNP1とSNP2において有意差が認められ(p<0.05)、LRWD1遺伝子はヒト精子形成に重要な役割を担うことを明らかにした。 今後は昨年度同定したHORMAD1遺伝子および本年度同定したLRWD1遺伝子の精子形成に関与するメカニズムを明らかにするために機能解析に取り組むとともに、精子形成に関与する新たな遺伝子群を同定し、機能解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
減数分裂停止(MA)およびSCOS による無精子症患者の遺伝子異常に関連する論文を国際雑誌に acceptされた。 。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに同定したヒト無精子症を引き起こす新規遺伝子群に関して、それらの遺伝子が精子形成にどのように携わっているのか、そのメカニズムを解析する。精子形成に関与するマウスcDNAをヒトcDNAとマウスゲノムのシークエンス配列の相同性を利用して単離する。単離されたマウスcDNAはClontech社のマウスcDNAパネルを用いてPCR法にてその発現パターンを解析する。特異的な発現を示したcDNAはさらに詳細に解析するためin situ hybridization及び免疫染色法を施行する。その後、重要と判断された遺伝子のノックアウトマウスを全て作成し、詳細に解析を行う。 wild type及びノックアウトマウスからそれぞれ精原細胞及び精母細胞を取り出し、double dimension electrophoresisにて異なる蛋白の発現を解析する。wild typeに存在しノックアウトマウスには存在しない蛋白はmassspectrometryにて同定し、蛋白機能はbinding proteinで解析する。同様にその機能が細胞内外に蛋白を輸送するものであるか解析する。 さらに広く精子形成に関与する遺伝子群を同定するために精巣組織がhyposmermatogenesis,sertoli cell only syndrome, maturation arrest の精巣総組織を持ちい同様に解析を進める。 発現量に明らかな差を認めるが遺伝子のmutationが認められない場合は、bisulphite処理後、PCR法により遺伝子のメチル化の状態などエピジェネティクな修飾に関しても解析をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)