2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸をキーワードに新たな早産予知と治療に挑む
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23592389
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 麻美 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30536511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 幹二 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (20311540)
柿崎 育子 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80302024)
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Keywords | 切迫早産 / 子宮頸管無力症 / ヒアルロン酸 / 4-methylumbelliferone |
Research Abstract |
本研究は切迫早産の主因の一つである子宮頸管無力症治療を主眼としている。Key wordはヒアルロン酸(HA)である。HAは子宮頸管の主要成分で妊娠末期に数時間のうちに10倍以上に急増しながら分娩終了と共に素早く元に復する。このHA急増により子宮頸管は膨潤化され、頸管を固く保持して妊娠維持に働いているコラーゲンによるフレームワークが破壊され頸管は急速に軟化開大し分娩に向かう。切迫早産においても同様の変化が起こると考えられ、HA合成を抑制できれば頸管の軟化開大が抑制され頸管無力症を治療できる可能性がある。 そこで本学が発見した世界初のHA合成阻害剤4-methylumbelliferone(以下MU)を用いて切迫早産治療薬開発のため基礎的研究を行った。ヒト子宮頸管培養線維芽細胞はHAを他細胞に比べ極めて活発に合成する。この細胞の培地中にMU 0.5mM/L、1.0mM/Lを各々添加し48時間培養後、HA産生量をELISA法にて測定した。その結果、同細胞におけるHA合成量は経時的に増加したが、MU投与によりコントロール群に比して有意に抑制された。またその抑制は濃度依存的であった。 続いてラットを用いた動物実験では、妊娠ラットに対し抗プロゲステロン剤RU486を皮下注することにより早産モデルを作成し、以下の4群に分けた。生食皮下持続投与(1群)、RU486+生食皮下持続投与(2群)、RU486+MU 10μg/kg/min.皮下持続投与(3群)、RU486+MU 20μg/kg/min.皮下持続投与(4群)。娩出時間は1群では満期産、2~4群ではいずれも早産となり、有意な妊娠期間の延長は得られなかった。MUは難溶性のため溶媒にうまく溶解できていなかった可能性やRU486の投与量が多すぎた可能性が考えられた。今後は薬剤量や投与経路(腟座薬や経口)について再度検討を行いたい。
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Research Products
(1 results)