2012 Fiscal Year Research-status Report
mTORシグナル伝達経路を標的とした、新たな子宮筋腫治療法の開発
Project/Area Number |
23592393
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石川 博士 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70553973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生水 真紀夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30226302)
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Keywords | 子宮筋腫 / mTOR / Hypoxia / HIF1 |
Research Abstract |
子宮筋腫と正常子宮筋組織から子宮筋腫、子宮筋培養細胞を分離・培養し、mTOR経路に関連したタンパク質である、AMPK,AktおよびS6K1の発現を比較検討した。その結果、AMPK, Akt, S6K1およびリン酸化AMPK, Akt,S6K1のタンパク発現量は、子宮筋腫と子宮筋で大きな差はみられなかった。これは前年度の、子宮筋腫、子宮筋組織におけるAMPK,Aktおよびリン酸化AMPK,Aktのタンパク発現を比較した結果に矛盾しなかった。以上より子宮筋腫組織、および初代培養細胞では、ともにmTOR経路の活性化は起こっていないと考えられた。 次に、子宮筋腫は子宮筋に比べ低酸素状態(Hypoxia)にありながら増殖を続ける、という事実に着目し、子宮筋腫におけるHypoxia inducible factor-1 alpha(HIF1α)の発現を検討した。子宮筋腫細胞と子宮筋細胞を20%酸素培養下(Normoxia)と1%酸素培養下(Hypoxia)で培養し、RNAを回収、HIF1αmRNAの発現を定量的リアルタイムPCR法で比較検討した。その結果、子宮筋細胞ではHIF1αの発現が、Hypoxiaにより低下したのに対して、子宮筋腫細胞では、HypoxiaによるHIF1α発現が低下しても、その割合が低く、逆に上昇するものもみられた。このHypoxiaにおけるHIF1αmRNA発現誘導性の変化は、子宮筋腫に特徴的であると考えられた。 また、重症免疫不全マウスを用いた、子宮筋腫xenograftモデルの最適化の検討では、NOD/SCIDマウスの腎被膜下移植法が、エストロゲン・プロゲステロン同時投与により、xenograftが増大し、もとの筋腫様組織に似た組織の再構築が高い確率で起こったため、モデルとして最適であると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験では正常子宮筋組織と比較して、子宮筋腫組織でmTOR経路上のタンパクの発現が亢進していたが、多数例、および培養細胞で検討した結果、これらのタンパクの発現の差に一定の傾向がみられず、子宮筋腫ではmTOR経路が活性化されていない可能性が考えられた。 したがって、子宮筋腫におけるHIF1α発現に関する検討を新しく行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮筋腫ではHypoxiaによる、HIF1αmRNAの発現誘導性が子宮筋と異なることが明らかとなった。そこで、この変化がなぜ起こっているのかを解明する目的で、Hypoxia条件下に培養した子宮筋腫細胞と正常子宮筋細胞において、HIF1α以外の遺伝子発現プロファイルの変化をcDNAマイクロアレイを使って解析することとした。組織(筋腫と正常筋)、酸素濃度(NormoxiaとHypoxia)の2つのパラメーターで、アレイ結果を解析し、Hypoxia 条件下でHIF1αの発現が誘導される子宮筋腫の増殖に鍵となる遺伝子を同定する。 NOD/SCIDマウスを用いた子宮筋腫xenograftモデルの検討では、xenograftともとの筋腫組織でHypoxiaにより誘導される遺伝子群の発現変化を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた試薬を購入しなかったため、未使用金が発生した。 したがって次年度は、消耗品として、cDNAマイクロアレイを用いた解析とPCR、ウエスタンブロットの試薬に用いる。また、動物実験用の動物、飼料に研究費を用いる。学会発表と論文投稿に必要な英文校正に用いる。
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Research Products
(4 results)