2012 Fiscal Year Research-status Report
GnRHパルス頻度依存性特異的ゴナドトロピン発現機構の解明
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23592404
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
金崎 春彦 島根大学, 医学部, 講師 (10325053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折出 亜希 島根大学, 医学部, 助教 (00423278)
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Keywords | GnRH |
Research Abstract |
視床下部ペプタイドであるキスペプチンはGnRHニューロンに作用しGnRH分泌を制御する。GnRHニューロンにはキスペプチン受容体GPR54の他、GnRHの受容体も存在する。今回我々はGnRH産生ニューロンにおけるGnRH受容体発現について検討した。 GnRH産生ニューロンのモデル細胞としてGT1-7細胞を用いた。GnRH受容体遺伝子の転写活性はルシフェラーゼベクターを用いて測定した。細胞内情報伝達経路を調べる為、ERK活性及びcAMP/PKA活性を反映するserum response element (SRE)、cAMP response element (CRE)レポーターアッセイを行なった。 GT1-7細胞をキスペプチンで刺激すると、SRE活性、CRE活性が共に増強した。GnRH刺激ではSRE活性は増加したが、CRE活性は増加しなかった。GnRH受容体の転写活性はキスペプチン刺激で有意に増加したが、GnRH刺激では増加しなかった。恒常活性化型MEKK及びPKAの導入によりGnRH受容体の転写活性は共に増加し、MRKK, PKAの同時発現で更に増強した。キスペプチンは細胞内cAMP濃度を増加させたが、GnRH刺激では増加しなかった。 GnRH分泌制御因子として同定されたキスペプチンはGnRH産生ニューロンにおいてGnRH受容体遺伝子発現を増加させることが分かった。この作用にはキスペプチンによるERK活性化に加え、cAMP/PKAの活性化が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで下垂体ゴナドトロピン産生細胞におけるゴナドトロピン制御機構について研究を進めてきた。ゴナドトロピンを制御する視床下部GnRH産生細胞に焦点をあて、GnRH産生細胞の制御機構につき研究を開始することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
下垂体ゴナドトロピン制御機構及び視床下部GnRH制御機構に関し、並行して研究を行う予定である。具体的には ・下垂体前葉細胞におけるGonadotoropin inhibitory hormoneの役割の解明 ・下垂体前葉細胞におけるPituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)及びその受容体機能の解明 ・視床下部キスペプチンのGnRH産生細胞における役割 ・PACAPのGnRH産生細胞における役割 以上に関して研究を継続し、中枢性の性腺機能調節ホルモンの制御機構について解明する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度はこれまで我々が作成してきた発現ベクター、ルシフェラーゼベクターを用いた基礎的実験を行ったため、既存の試薬、消耗品でおおむね対応出来き、未使用額が生じた。 今年度はさらに研究を発展させ、初代培養系を含めた実験、新たなペプチドを購入するほか、各種アッセイを行うため消耗品の購入に充てる必要がある。また最終年度として論文作成費、発表費も必要になると思われる。
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Research Products
(5 results)