2012 Fiscal Year Research-status Report
網羅的遺伝子解析法を用いた子宮内膜症の病態の解明と新しい薬物療法の開発
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23592407
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
楢原 久司 大分大学, 医学部, 教授 (60211447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈須 家栄 大分大学, 医学部, 教授 (30274757)
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Keywords | 子宮内膜症 / マイクロアレイ / エピジェネティクス / 増殖 / アポトーシス |
Research Abstract |
cDNAマイクロアレイ、microRNAマイクロアレイによる遺伝子発現異常の網羅的解析を開始した。マイクロアレイを用いた遺伝子発現の網羅的解析を行うことにより、子宮内膜症における遺伝子およびその発現異常について、その全体像が明らかになると考えられるため、得られたマイクロアレイのデータを詳細に解析し、(1) 子宮内膜症と免疫異常、(2) 子宮内膜症とapoptosisの異常、(3) 子宮内膜症と瘢痕形成の3つのテーマについて、分子生物学的手法および細胞生物学的手法を用いてさらに詳細に検討を行っている。 VPA刺激後のcDNA マイクロアレイの結果、p21Waf1/Cip1が抽出された。このことは、子宮内膜症でp21Waf1/Cip1がエピジェネティックな機構によって異常な抑制を受けている可能性がります。VPAの刺激により、ヒストンのアセチル化とともに、DNAの脱メチル化が起こることによってp21Waf1/Cip1の転写活性が高まり、子宮内膜症間質細胞の細胞増殖抑制、細胞周期停止、apoptosis誘導を引き起こしたと考えられた。 また、子宮内膜症で増減しているmicro RNAが検出され、それぞれについてその関与を検討している。 さらに、マイクロアレイのデータを基に、子宮内膜症においてこれまでに知られていない未知の異常を同定することを目標とした研究を進めている。これらの研究により得られた知見に基づいて、薬物療法の標的となる候補因子を同定し、その因子に対して選択的な薬剤による新しい薬物療法の開発を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、(1) 子宮内膜症と免疫異常、(2) 子宮内膜症とapoptosisの異常、(3) 子宮内膜症と瘢痕形成、(4) 子宮内膜症とジェネティクス、エピジェネティクス、プロテオミクスの4つの観点から、これらに関わる遺伝子発現異常の網羅的解析を行い、子宮内膜症の病態の解明し、新しい視点に基づく薬物療法の開発に寄与することを目的としている。cDNAマイクロアレイ、microRNAマイクロアレイによる遺伝子発現異常の網羅的解析から、VPAの刺激により増減する遺伝子や子宮内膜症で増減しているmicro RNAが検出され、それぞれについてその関与を検討している。ヒストンのアセチル化とともにDNAの脱メチル化が起こることによってp21Waf1/Cip1の転写活性が高まり、子宮内膜症間質細胞の細胞増殖抑制、細胞周期停止、apoptosis誘導を引き起こしたことなど、一部、その機能解析が進んでいるが、検出された遺伝子やmicroRNAがどのように子宮内膜症における病態とかかわっているかの検討がまだ十分進んでいない。 また、マイクロアレイのデータを基に、子宮内膜症においてこれまでに知られていない未知の異常を同定することを目標とした研究を進める。これらの研究により得られた知見に基づいて、薬物療法の標的となる候補因子を同定し、その因子に対して選択的な薬剤による新しい薬物療法の開発を行うこと、および、本研究によって得られた知見を、学会発表や論文として公表する作業は始まったばかりである。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロアレイを用いた遺伝子発現の網羅的解析を行うことにより、子宮内膜症における遺伝子およびその発現異常について、その全体像が明らかになると考えられるため、得られたマイクロアレイのデータを詳細に解析し、(1) 子宮内膜症と免疫異常、(2) 子宮内膜症とapoptosisの異常、(3) 子宮内膜症と瘢痕形成の3つのテーマについて、分子生物学的手法および細胞生物学的手法を用いてさらに詳細に検討を行う。また、マイクロアレイのデータを基に、子宮内膜症においてこれまでに知られていない未知の異常を同定することを目標とした研究を進める。これらの研究により得られた知見に基づいて、薬物療法の標的となる候補因子を同定し、その因子に対して選択的な薬剤による新しい薬物療法の開発を行う。本研究によって得られた知見を、学会発表や論文を執筆する過程で、実験系や探究策を再考する作業を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロアレイで同定された遺伝子やエピジェネティックな変化が、子宮内膜症間質細胞の細胞増殖、細胞周期、apoptosis耐性など、子宮内膜症における病態とどのようにかかわっているかの検討を行うための種々の試薬やキットの購入に主として用いる。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] Role of Mevalonate-Ras Homology (Rho)/Rho-associated Coiled-coil-forming Protein Kinase-mediated Signaling Pathway in the Pathogenesis of Endometriosis-associated Fibrosis2012
Author(s)
Nasu K, Tsuno A, Yuge A, Abe W, Kawano Y, Nishida M, Kai K, Matsumoto H, Kawano Y, Narahara H
Organizer
13th Royan International Congress on Reproductive Biomedicine
Place of Presentation
Tehran, Iran
Year and Date
20120905-07
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