2013 Fiscal Year Annual Research Report
子宮腔内液性因子に注目した着床不全の病態解明と治療法の開発
Project/Area Number |
23592413
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 治 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10464976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜谷 敏生 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60265882)
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Keywords | CD9 / 子宮内腔 / 子宮内膜 / 液性因子 / MMP / 不妊症 / 着床不全 / 炎症 |
Research Abstract |
本研究では、着床期に子宮内腔に存在する液性因子に注目して、子宮の着床能評価および着床不全メカニズムの解明を試みた。 CD9-/-TGと野生型雄マウスを交配させると1回目の分娩は問題なかったが、それ以降の分娩では顕著な産仔数の減少が認められた。そこで、野生型とCD9-/-TGマウスの分娩後子宮内膜について組織学的に比較検討した。分娩後子宮内膜を、Cd9-/-TGとCd9+/+雄マウスにおいて観察した。分娩後子宮内膜は野生型マウスでは子宮内膜上皮で覆われていたが、ノックアウトマウスでは子宮内膜は上皮で覆われておらず子宮内腔は癒着しており、子宮内膜上皮の修復にCD9が重要であると考えられた。さらにマウス子宮内腔液をmultiplex suspension arrayで網羅的に液性因子を測定し、ノックアウトマウスにおいて著明な低下を認めたVEGFに注目した。野生型マウスの子宮内腔液を抗CD9抗体で免疫沈降したところVEGFが高濃度に含まれ、CD9とVEGFに相互作用が示唆され、CD9がVEGFの分泌に寄与している可能性が考えられた。そこで、CD9-/-TGマウスの分娩後子宮内腔にVEGF投与し、再上皮化が観察され、子宮内膜の修復障害がVEGFによりレスキューされた。 CD9は子宮内膜上皮細胞から子宮内腔に分泌され、VEGFの分泌にも寄与することで子宮内膜の修復に重要な役割を果たすと考えられた。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] β-Catenin functions pleiotropically in differentiation and tumorigenesis in mouse embryo-derived stem cells.2013
Author(s)
Okumura N, Akutsu H, Sugawara T, Miura T, Takezawa Y, Hosoda A, Yoshida K, Ichida JK, Yamada M, Hamatani T, Kuji N, Miyado K, Yoshimura Y, Umezawa A.
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Journal Title
Plos One
Volume: 8
Pages: 63265
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Reproductive and obstetric outcomes after radical abdominal trachelectomy for early-stage cervical cancer in a series of 31 pregnancies.2013
Author(s)
Nishio H, Fujii T, Sugiyama J, Kuji N, Tanaka M, Hamatani T, Miyakoshi K, Minegishi K, Tsuda H, Iwata T, Tanaka K, Fukuchi T, Takehara Y, Yoshimura Y, Aoki D.
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Journal Title
Hum Reprod
Volume: 28
Pages: 1793-1798
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Yamada-Fukunaga T, Yamada M, Hamatani T, Chikazawa N, Ogawa S, Akutsu H, Miura T, Miyado K, Tarin JJ, Kuji N, Umezawa A, Yoshimura Y.2013
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[Presentation] 着床前期胚におい て特異的に発現する新規SCAN-zinc finger遺伝子Zfp371の 解析.
Author(s)
小川誠司, 浜谷敏生, 阿久津英憲, 山田満稔, 奥村典子, 菅原かな, 井上治, 福永朝子, 梅澤明弘, 久慈直昭, 青木大輔, 吉村泰典.
Organizer
第65回 日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
札幌
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[Presentation] ヒト間葉系幹細胞 から子宮内膜間質細胞への分化誘導.
Author(s)
菅原かな, 浜谷敏生, 小川誠司, 山田満稔, 奥村典子, 福永朝子, 井上治, 上條慎太郎, 久慈直昭, 梅澤明弘, 青木大輔, 吉村泰典.
Organizer
第65回 日本産科婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
札幌
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[Presentation] キャピラリー電気泳動-飛 行時間型質量分析法(CE-TOFMS)を用いたマウス着床前期胚培養液のメタボローム解析.
Author(s)
浜谷敏生, 山田満稔, 高梨和美, 平山明由, 阿久津英憲, 福永朝子, 小川誠司, 菅原かな, 篠田幸作, 曽我朋義, 久慈直昭, 梅澤明弘, 冨田勝, 吉村泰典.
Organizer
第54回 日本卵子学会大会
Place of Presentation
東京
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[Presentation] キャピラリー電気 泳動-飛 行時間型質量分析法(CE-TOFMS)を 用いたマウス着床前期胚培養液のメタボローム解析.
Author(s)
若松修平, 山田満稔, 浜谷敏生, 阿久津英憲, 竹本崇史, 戸田里実, 上條慎太郎, 小川誠司, 菅原かな, 久慈直昭, 吉村泰典.
Organizer
第58回 日本生殖医学会
Place of Presentation
神戸
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[Presentation] 着床前期胚におい て特異的に発現する新規SCAN-zinc finger遺伝子Zfp371の 解析.
Author(s)
小川誠司, 浜谷敏生, 阿久津英憲, 山田満稔, 奥村典子, 菅原かな, 井上おさむ, 山田朝子, 上條慎太郎, 久慈直昭, 吉村泰典.
Organizer
第58回 日本生殖医学会
Place of Presentation
神戸
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[Presentation] ヒト間葉系幹細胞 から子宮内膜間質様細胞への分化誘導.
Author(s)
菅原かな, 浜谷敏生, 小川誠司, 山田満稔, 山田朝子, 上條慎太郎, 竹本崇史, 戸田里実, 若松修平, 久慈直昭, 阿久津英憲, 梅澤明弘, 吉村泰典.
Organizer
第58回 日本生殖医学会
Place of Presentation
神戸