2011 Fiscal Year Research-status Report
妊娠恒常性維持機構における羊膜マトリクス細胞蛋白の役割
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23592414
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
峰岸 一宏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30276331)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | matricellular protein / amnion / SPARC / TSP1 / TSP2 |
Research Abstract |
マトリクス細胞蛋白の羊膜における発現の検討【目的】本研究では,羊膜における細胞外マトリクス蛋白の一種であり,組織修復や細胞増殖・分化制御を担うマトリクス細胞蛋白の発現,機能について検討することで,妊娠恒常性維持機構における羊膜の役割を究明することを目的とする.平成23年度では,羊膜におけるマトリクス細胞蛋白の発現について,妊娠に伴う経時的変化を含めて解析検討した.【方法】妊娠中期羊膜(18-23週)および妊娠後期羊膜(37-39週)から羊膜上皮細胞を単層初代培養し,マトリクス細胞蛋白であるsecreted protein, acidic and rich in cysteine(SPARC), Thrombospondin1(TSP1), TSP2, Tenascin-C(TNC)のmRNAの発現について,TaqMan realtime RT-PCR法により検討した.【結果】SPARC mRNAの発現は,妊娠中期から後期にかけて,約40%の低下傾向を示した.一方で,TSP1の発現は妊娠後期が中期の約3倍と増加していた.TSP2,TNCについては明らかな変化を認めなかった.【結論】妊娠中期から後期に向かって,羊膜上皮細胞におけるSPARC mRNAが減少し,TSP1 mRNAは増加するといったマトリクス細胞蛋白発現の変化が認められた.この妊娠による経時的な発現変化は,羊膜における細胞外マトリクス構築に影響を与えている可能性が考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究実験の基盤となる羊膜上皮細胞および間葉細胞の単層初代培養における細胞,組織増殖に偏りがあり不安定で,実験結果にばらつきが生じたため,当初の予定の実験が終えられなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
羊膜上皮細胞の初代培養法にさらなる改良を加え,平成23年度に行えなかった研究内容を含め当初の実験計画を遂行する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額の発生は,効率的な物品調達を行い研究をすすめたものの,基盤となる培養系が安定せず当初の実験計画より遅れが生じた結果である.当初の実験計画の変更はないため,この未使用額を次年度に繰り越して消耗品購入に充てる予定である.
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