2011 Fiscal Year Research-status Report
黄体化未破裂卵胞を中心とした排卵障害治療におけるG-CSFの有用性に関する研究
Project/Area Number |
23592422
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
牧野田 知 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80165688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 亮太 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (30298351)
早稲田 智夫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40367488)
富澤 英樹 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40319059)
藤田 智子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90350785)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 排卵障害 / G-CSF / サイトカイン |
Research Abstract |
本学病院ならびに関連クリニックにおいてLUF症例のうち適応基準(40歳未満、卵巣周囲に強度の癒着が認められない、試験実施周期では前周期と同様の卵胞刺激などの処置が行われること、など)を満たし、かつ除外基準(G-CSF投与時の末梢血白血球数が10,000/μl以上、薬剤過敏症の既往やアレルギー素因のある症例、肝・腎・心機能に高度の障害がある症例、医師が参加不適当とみなした症例、など)に該当しない症例に対して、インフォームド・コンセントを得て、本研究への参加を募った。 対象症例においては毎日基礎体温を測定していただくとともに、次周期にLHサージもしくは予想されるhCG投与の24-48時間前にG-CSF(レノグラスチム) 100μgを皮下投与した。その結果、90%以上のほぼ全例において排卵を確認することができ、G-CSFによるLUF予防効果をより確実なものとした。また、これら症例において白血球数を含めた血算を経時的に行うとともに、G-CSFや関連するFSH、LH、E2、P4などの各種ホルモン濃度を測定した。白血球の増加は20000/μl以内であり、赤血球数、血小板数などには有意な変動はなく、特別な副作用は認められなかった。各種ホルモン検査においても正常性周期女性と比べて有意な差は認められなかった。 以上の結果から、G-CSFを用いたLUF治療の試みは、G-CSFによる白血球の増加は通常炎症時に認められる範囲内であり、その他の有害事象も認められず、各種ホルモン動態においても正常性周期女性と比べて有意な差はなく、排卵成功率が90%以上であり、特別な治療法がないLUFに対してまず行うべき治療方法であることが明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連クリニックにおける排卵誘発法がClomiphene-hCG法から、自己注射によるhMG-hCG法に変更になり、LUF症例が減少したため。
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Strategy for Future Research Activity |
G-CSFの投与量を100μg単独で行ってきたが、より少量でもLUF予防効果があると思われ、少用量での投与試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、LUF対象患者に少用量のG-CSF投与試験を行い、その有用性を検討する。
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Research Products
(3 results)