2013 Fiscal Year Annual Research Report
黄体化未破裂卵胞を中心とした排卵障害治療におけるG-CSFの有用性に関する研究
Project/Area Number |
23592422
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
牧野田 知 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80165688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 亮太 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (30298351)
早稲田 智夫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40367488)
富澤 英樹 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40319059)
藤田 智子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90350785)
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Keywords | 排卵障害 / G-CSF / サイトカイン |
Research Abstract |
一般的な排卵誘発剤であるクエン酸クロミフェンやFSHならびにhCGを使用するも黄体化未破裂卵胞(LUF)を発症した患者に本研究の参加を求めた。研究適応基準は①40歳未満、②卵巣周囲に強度の癒着が認められない、③G-CSF投与周期では前周期と同様の卵巣刺激が行われることとし、研究除外基準は①G-CSF投与時の末梢血白血球数が10,000μL以上、②薬剤過敏症の既往やアレルギー素因がある、③肝・腎・心機能に高度の障害がある、④医師が参加不適当と考えられる、とした。インフォームド・コンセントを得て、LUF発症後の次周期にLUF発症周期と同様の卵巣刺激法に追加してG-CSFを投与し、全研究対象患者の排卵率を解析した。 G-CSFを投与していない一般的な排卵誘発周期の排卵率は50.0%(83/166周期)であった。それに対しG-CSFを追加投与した排卵誘発周期の排卵率は90.3%(84/93周期)で有意な排卵率の上昇が認められた(P<0.001)。LUF発症のリスク比は0.554(95% CI: 0.469 - 0.654)でG-CSFは有意にLUF発症を予防した。白血球はG-CSF投与後に一時的に増加するが1週間程度で正常値となり、その他有害事象は認められなかった。 G-CSFは、一般不妊治療を行う際に現在有効な治療方法がないため障害となっているLUFを治療できることが明らかとなり、通常の卵巣刺激方法に追加する補助的な排卵誘発治療薬として有用である可能性を明らかにした。 今後の研究の展開としては、症例数が十分あればG-CSF至適投与量の検索、約10%に認められるG-CSF無効例の原因検索などを行っていきたい。
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Research Products
(3 results)