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2011 Fiscal Year Research-status Report

胎盤形成におけるガレクチンファミリーの機能解析

Research Project

Project/Area Number 23592423
Research InstitutionKanazawa Medical University

Principal Investigator

東海林 博樹  金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (10263873)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 有川 智博  金沢医科大学, 一般教育機構, 講師 (70452670)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsガレクチン / 胎盤 / 妊娠 / trophoblast / invasive trophoblast / 浸潤 / 合胞体
Research Abstract

ガレクチンはβガラクトシドを認識する動物レクチンファミリーであり、哺乳類では19のメンバーが知られている。胎盤には多種のガレクチンタンパク質が比較的大量に含まれ、ガレクチンファミリーが胎盤の進化、形成、維持等に重要であることが示唆されている。我々は、胎盤組織形成におけるガレクチンファミリーの機能解明を目的として、まずラット胎盤由来栄養膜細胞株(Rcho-1)の浸潤性栄養膜細胞への分化過程における各種ガレクチン遺伝子の発現変化を解析した。DNAマイクロアレイによる解析の結果、ガレクチン1,3,4,5,7,8,9,12の発現が認められ、このうちガレクチン4については、分化に伴い発現が抑制されることが判明した。RT-PCR 法によりさらなる解析を行ったところ、ガレクチン4は分化誘導開始後24時間以内の比較的はやい段階で発現が抑制されていた。この分化誘導は、増殖用の培地から低栄養培地への交換により行うが、再度増殖用培地に戻してもガレクチン4の発現は復帰しないこと、またガレクチン4を高発現する別の細胞株(結腸がん由来)で同じ処理を行っても、発現レベルに影響が認められないことなどから、栄養膜細胞の分化に伴う現象であることが示唆された。さらに、ガレクチン4タンパク質について、ラット胎盤における分布を解析したところ、母体脱落膜や、脱落膜と接する胎児組織など、母胎間の境界領域に検出された。これらのことから、ガレクチン4が胎盤形成における栄養膜細胞の分化制御に関わる可能性が示された。 一方、ヒト胎盤由来BeWo細胞の栄養膜合胞体分化系においては、ガレクチン12の発現上昇の可能性を見いだしている。以上の結果から、栄養膜細胞の分化方向の違いにより、ガレクチンファミリーの発現パターンも異なる可能性が示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、ラット胎盤由来Rcho-1細胞分化系におけるガレクチンファミリーの発現パターンを解析した。その結果、ガレクチン4の発現が顕著抑制されることを見いだし、その分化制御に関わる可能性を見いだした。さらに、ガレクチン4タンパク質のラット胎盤における分布を解析し、上述の可能性を支持する結果を得ている。現在Rcho-1細胞分化系において、ガレクチン4遺伝子発現を人為的に操作し、細胞分化に与える影響を解析する実験に着手している。 また一方、ヒト胎盤由来BeWo細胞の栄養膜合胞体分化系におけるガレクチンファミリー発現パターンの解析も行い、Rcho-1細胞分化系との比較検討も進行中である。

Strategy for Future Research Activity

H23年度の解析により胎盤形成に重要である可能性が高いと目されたガレクチン4を中心に、培養細胞における遺伝子発現操作の影響解析、ラットのみならずマウスやヒト胎盤組織での詳細な発現解析を進めていく。さらに、それらの結果を踏まえ、in vivo での遺伝子操作、すなわちレンチウィルスベクターシステムを利用したマウス胎盤における遺伝子発現操作の胎盤形成への影響解析に着手する。 また一方、Rcho-1細胞、BeWo細胞に加え、マウス由来栄養膜細胞、ヒト由来の浸潤能が高いとされる培養細胞なども導入し、ガレクチンファミリーの発現パターンの比較検討も行っていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度計画している実験も、培養実験、分子生物学実験などが中心となり、比較的費用のかかる消耗品を必要とする。よって研究費の大部分はこれら試薬をはじめとした消耗品に使用する。また、マウスを用いた動物実験が始まれば、その費用にも充てたい。その他、研究費の一部は学会発表旅費や論文の英文校正費にも充てる。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Effects of melanocortins on fetal development.2011

    • Author(s)
      Simamura E
    • Journal Title

      Congenital anomalies

      Volume: 51 Pages: 47-54

    • DOI

      10.1111/j.1741-4520.2011.00316.x.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ガレクチンによる制御を介した胎盤形成機構の解明2012

    • Author(s)
      有川智博
    • Organizer
      文部科学省・科学研究費・新学術領域研究 「上皮管腔組織形成」第2回全体会議
    • Place of Presentation
      川崎グランドホテル(神奈川県)
    • Year and Date
      2012年2月18日
  • [Presentation] ラット母獣LIF 投与は母胎間LIF-ACTH-LIF シグナルリレーを介して胎児脳における アストロサイト様細胞の分化を促進する2011

    • Author(s)
      島村 英理子
    • Organizer
      第34回日本神経科学会大会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • Year and Date
      2011年9月15日
  • [Presentation] 胎盤栄養膜由来細胞株におけるガレクチンファミリーの発現2011

    • Author(s)
      東海林博樹
    • Organizer
      金沢医科大学医学会第47回学術集会
    • Place of Presentation
      金沢医科大学(石川県)
    • Year and Date
      2011年7月9日
  • [Presentation] ラット胎盤由来細胞株Rcho-1におけるガレクチンファミリーの発現2011

    • Author(s)
      東海林博樹
    • Organizer
      第51回日本先天異常学会学術集会
    • Place of Presentation
      砂防会館別館(東京都)
    • Year and Date
      2011年7月23日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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