2012 Fiscal Year Research-status Report
AMPK・mTORシグナルをターゲットとした子宮筋腫に対する新治療戦略
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23592430
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
武田 卓 近畿大学, 東洋医学研究所, 教授 (20301260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築地 謙治 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (40528155)
李 賓 東北大学, 東北メディカル・バンク機構, 研究支援者 (20566814)
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Keywords | 子宮筋腫 / メトホルミン / mTOR / VEGF |
Research Abstract |
①ラット子宮筋腫モデル細胞株であるELT-3細胞を用いたin vitroの検討により、メトホルミンによるmTORシグナルに対する抑制メカニズムを明らかにした。これを英文論文に投稿し受理された(Gynecol Endocrinol. 2013 Jan;29(1):87-90)。 ②血管新生への影響を検討するため、ELT-3細胞を用いてメトホルミンによるVEGF発現抑制を検討した。メトホルミンはELT-3細胞の培養上精中のVEGF濃度を抑制し、細胞でのVEGF蛋白発現を抑制した。また、子宮筋腫は低酸素下にあると考えらえるため、低酸素によるVEGF発現に対するメトホルミンの効果を検討したが、これも効率的に抑制した。昨年度に検討したヒト子宮筋腫組織移植モデルマウスへのメトホルミン投与試験の検体を用いて、血管新生へのメトホルミンの抑制効果を検討した。メトホルミンは子宮筋腫移植組織におけるVEGF発現を抑制し、細胞増殖だけでなく、血管新生に対する抑制効果も認めることを明らかとした。以上の結果をもとに、現在論文作成中である。 ③子宮平滑筋肉腫は、子宮筋腫と同様に子宮平滑筋オリジンであり、mTORシグナルが細胞増殖において重要な役割をはたすが、子宮筋腫とは異なりきわめて悪性で予後不良の疾患である。クルクミンによるmTORシグナル抑制が子宮平滑筋肉腫細胞増殖抑制に働くことをこれまでに明らかにしてきた。そこで、子宮平滑筋肉腫細胞に対するメトホルミンの効果を検討したところ、mTORシグナルの抑制に働くことを明らかにした。悪性腫瘍へのメトホルミンの応用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初は東北大学での東日本大震災被災による影響から実験計画の遅れを認めたが、その後は順調に進展している。初年度において明らかにした、メトホルミンによる子宮筋腫細胞への抑制効果に関する報告を今年度英文論文として報告でき、さらに細胞増殖以外の作用メカニズムとしての血管新生抑制の新しいデータが集まりつつあることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究の中心は、臨床データの解析による、メトホルミンを用いた子宮筋腫治療薬開発の可能性検討を中心とする。PCO患者におけるメトホルミン投与が子宮筋腫サイズ変化に及ぼす影響を臨床データをもとに検討をおこなう。初年度・今年度にえられた基礎研究データをまとめ、in vitro in vivoの系における、メトホルミンによる血管新生抑制に関するプロジェクトに関する論文発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床データの収集解析のための費用が中心となる。膨大な量のデータ処理が必要とされるため、効率的な研究運営のために研究補助員の雇用を行い対応する。最終年度のため、これまでの成果発表のための学会参加費・論文作成関連費用が必要とされる。
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