2013 Fiscal Year Research-status Report
オーダーメード化学療法を目指した抗癌剤感受性検査の判定基準の策定
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23592434
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
沖 明典 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60334067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 裕之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40158415)
水口 剛雄 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40372396)
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Keywords | 婦人科悪性腫瘍 / 細胞株 / 感受性検査 / 臨床応用 |
Research Abstract |
婦人科悪性腫瘍由来細胞株を用いて、in vitroの抗癌剤感受性検査を行った。(現在途中)患者に実際に投与される薬物とその時の薬物動態学的なパラメータを用いて、血中のAUCに近似されるような薬剤濃度と接触時間を用いて、濃度で10段階(10-0.001μg/ml)、接触時間を6段階(1-48時間)に設定し、WST-1 assayを用いた細胞生存曲線を作成、抗癌剤を添加しないコントロールと比して生細胞が半分以下となった濃度(IC50)が存在した場合を、殺細胞効果ありとした。特にIC50値を得た濃度とその時の接触時間の積(実験的AUC)が実際に臨床投与される時のAUCよりも下回っていた場合を感受性と定義して細胞株の感受性検査を手持ちの細胞株で施行した。現在、進行卵巣癌由来細胞株TXO203では、検査が終了し、paclitaxelに関して感受性と判定したが、IC50を得られる濃度は1時間接触で0.05μg/mlであり、実際のAUCと比較すると、330分の1であった。これは実際の臨床で十分に達成できるAUCよりはるかに低い水準で癌細胞が傷害されることを示し、本臨床例で進行卵巣癌が化学療法によって完全寛解を得られたという臨床的事実の裏付けとなる実験データであると考えられる。 現在、それ以外の臨床データを有する婦人科悪性腫瘍由来細胞株を解析しているところであるが、残り数株を残したところで、凍結保存されていた細胞株が増殖不良となり、昨年1年間細胞の養生中で、立ち直り次第実験を再開する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一昨年から昨年にかけて、残りの数株の凍結していた細胞株の解凍後の増殖が思わしくないため、1年間細胞を養生することとなり、実験が一旦停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の状態の回復を待ち、速やかに残りの細胞株の感受性検査を行い、臨床データとの比から、in vitro抗癌剤感受性検査と臨床での抗癌剤感受性の相関を検討する方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年予定していた実験が、細胞株の発育不良となってしまったため、実験を行うことができず、細胞の養生のみに終始したため、実験計画を1年延長した 残り細胞株の抗癌剤感受性検査を行うことと、可能であれば、臨床検体の更なる追加のための初代培養を行う予定である。
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