2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592440
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
端 晶彦 山梨大学, 医学部附属病院, 准教授 (10208431)
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Keywords | 胃型粘液頸部腺癌 |
Research Abstract |
「目的」子宮頸部粘液性腺癌の一部にも胃型粘液が出現することが報告され、さらに胃型粘液陽性が予後不良因子である可能性が報告され注目されている。我々は当科で子宮頸部粘液性腺癌と診断した症例に対して胃型粘液の有無を検討しその臨床病理学的検討を行った。 「成績」当科で手術療法を行った浸潤子宮頸部粘液性腺癌症例38症例のパラフィン包埋組織より連続切片を作成し免疫組織学的検討およびIn situ hybridization法の検討を行った。(1) 38例中胃型粘液陽性とされたものは11例(28.9%)であった。その11例中p53過剰発現は7例(63.6 %)に認めた。胃型粘液陰性とされた27例中3例 (11.1%) でp53過剰発現を認めた。p53の過剰発現は胃型粘液陽性腺癌で有意に高率であった。(2) HPVの頻度の検討 ISH法によりHPV DNAの核内への組み込みの有無を検討した。ISH法はcatalyzed signal amplication sysytemを応用した超高感度ISH法(GenPoint System)を用いた。胃型粘液陽性とされた11例中HPV DNAの核内への組み込みは2例(18.2%)に認め、胃型粘液陰性とされた27例中24例 ( 88.9 %) でHPV DNAの核内への組み込みを認めた。 「結論」胃型粘液陽性とされた粘液性腺癌ではp53の過剰発現が高頻度に見られ、HPV-DNAの発現は極めて少なく、胃型粘液陰性とされた粘液性腺癌では、p53の過剰発現は低頻度で、HPV-DNAの発現が高率であった。胃型粘液陽性腺癌には発癌経路において通常型と考えられる粘液性腺癌とは異なる可能性がある。
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