2012 Fiscal Year Research-status Report
新しい細胞塊培養による婦人科癌の抗癌剤感受性試験の確立と応用
Project/Area Number |
23592448
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉野 潔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90362730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 隆之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教授 (90283754)
藤田 征巳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60303963)
上田 豊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10346215)
木村 敏啓 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (90584524)
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Keywords | 子宮頸癌 / 子宮体癌 / 卵巣癌 / CTOS / 初代培養 / 抗癌剤感受性 |
Research Abstract |
現在婦人科癌治療において抗癌剤の選択は過去の臨床データの蓄積によって行われているが、個々の患者に対し予め抗癌剤感受性を行うことにより効果の期待できる薬剤の選択が可能であれば患者および医療サイドの双方に大きなメリットがあると考えられる。我々はCTOS (cancer tissue-originated spheroid) を婦人科腫瘍に応用し、抗癌剤感受性試験を確立し難治性婦人科悪性腫瘍患者の治療方針決定に役立てることを目的として研究を開始した。 研究初年度である平成23年度は婦人科悪性腫瘍組織からCTOSを作製することを当面の目標として研究を開始した。手術により摘出された子宮体癌組織からCTOSが得られることを確認した。得られたCTOS をマウスに移植しxenograft から腫瘍の増殖を確認した。平成24年以降、PCRおよび免疫染色を用いてマウスに移植し増殖した腫瘍の上皮がヒト由来であり、間質はマウス由来であることを確認している。 CTOS形成はほぼ全例にみられるものの腫瘍増殖スピードが遅いため抗癌剤感受性試験を全例に行える状況に至っていない。これは生体内に比べ増殖因子が欠如しているためと考えられる。そこで癌間質との共培養を行いCTOSの増殖スピードに違いがあるか比較検討した。その結果癌間質からの液性因子がCTOS増殖を促進することが明らかとなった。 上記の結果を2012 AACRミーティング(Annual meeting of American Association for Cancer Research)および平成24年日本癌学会においてポスター発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子宮体癌のCTOS形成はほぼ全例にみられるものの腫瘍増殖スピードが遅いため抗癌剤感受性試験を全例に行える状況に至っていない。これは生体内に比べ増殖因子が欠如しているためと考えられる。そこで癌間質との共培養を行いCTOSの増殖スピードに違いがあるか比較検討した。その結果癌間質からの液性因子がCTOS増殖を促進することが明らかとなった。 高文化型類内膜腺癌よりも低分化腺癌あるいは漿液性腺癌においてCTOS増殖が速いことからこれらにターゲットを絞ることを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
癌間質との共培養を行いCTOSの増殖スピードに違いがあるか比較検討した。その結果癌間質からの液性因子がCTOS増殖を促進することが明らかとなった。 また、エストロゲンについては類内膜腺癌において腫瘍増殖促進効果がみられるが漿液性腺癌においては逆に腫瘍の増殖を抑制する現象が見られた。これらの知見をもとにCTOS増殖の条件をみなおし、高確率でCTOSを用いた抗癌剤感受性試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として培養液、試薬、ディッシュなどの消耗品に研究費を使用する予定である。
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