2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しい細胞塊培養による婦人科癌の抗癌剤感受性試験の確立と応用
Project/Area Number |
23592448
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉野 潔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90362730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 隆之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90283754)
藤田 征巳 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60303963)
上田 豊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10346215)
木村 敏啓 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (90584524)
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Keywords | 婦人科腫瘍 / 子宮体癌 / spheroid / 初代培養 / 感受性 / バイオマーカー / Nf-kB / Type II |
Research Abstract |
本研究期間に手術により摘出した子宮体癌組織88例からcancer tissue originated spheroid(CTOS) を作製し以下の研究を行い成果が得られましたので報告します。 手術摘出の日にCTOS調製を施行し、82/88 (93%) と高率にspheroid形成が確認された。その状態で2週間以上継続培養できるのは53/88 (60%)であった。Type I 子宮体癌からは50%台のCTOS 維持率であったが、Serous adenocarcinoma を含むType II 子宮体癌からは90%と高率にCTOSが維持されることが確認された。また、維持可能であったCTOSをNOD/SCIDマウスへ移植した45例のうち、22例(49%)が腫瘍を形成した。これら移植されたXenografted 腫瘍は免疫染色を含む病理組織の検討からOriginalの腫瘍の特徴を保持していた。作製したCTOSのうち最も増殖速度の速いCTOS (類内膜腺癌G3由来)を用いて種々のシグナル経路を標的とした阻害実験、すなわちNF-kB, mTORC1, mTORC1+mTORC2, RAF, HER2, Src, EGFR, PI3K を標的とした阻害剤:BMS345541, RAD001, OSI-027, Sorafenib, Lapatinib, Dasatinib, Erlotinib, LY294002 を用いて増殖抑制効果を検討した。阻害実験は薬剤投与1週間後にルシフェラーゼ活性を用いてATP活性を測定し、day0の断面積を用いて標準化し、比較・検討した。このうちNF-κB 阻害剤であるBMS345541の用量依存性に細胞増殖を抑えることが確認され、8種類の子宮体癌CTOSを用いて同様の増殖阻害実験を行っている。増殖抑制効果の認められたCTOSおよび抑制効果の認められないCTOSを比較検討することによりバイオマーカーの同定ができると考えられ、現在NFκB経路関連分子のウェスタンブロッティングを施行している。他の薬剤についても子宮体癌CTOSに対して増殖抑制効果を示すものがあり、バイオマーカーを同定することにより治療法を個別化できる可能性がある。
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