2011 Fiscal Year Research-status Report
高脂血症治療薬スタチン・プロブコールによる内耳障害抑制効果の検討
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23592474
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 幸士 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50323548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 章伸 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高脂血症治療薬 |
Research Abstract |
in vitro実験系として蝸牛器官培養を用いて内耳毒性薬物(ゲンタマイシン、シスプラチン)を用いて基準となる有毛細胞障害の程度を評価した。ゲンタマイシンについては0.2、0.3、0.35、0.4、0.5、0.6mMの各濃度で24時間培養しロダミン・ファロイジン染色で有毛細胞の障害を判定した。これらの濃度の中では0.35mMが安定して外有毛細胞の約半分、内有毛細胞の1/4に障害を惹起していた。シスプラチンについては20、40、100、200μMの各濃度で24時間培養しロダミン・ファロイジン染色で有毛細胞の障害を判定した。これらの濃度の中では100μMが外有毛細胞の2/3半分、内有毛細胞の1/5に障害を惹起していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蝸牛器官培養においてマウスの蝸牛を採取する際、非常に小さな組織であるため採取する際の技術的なアーチファクトの変動が大きく、内耳毒性薬物の効果による有毛細胞の障害か否かの判断に難儀を要した。またゲンタマイシン、シスプラチンに関しては至適な有毛細胞障害をきたす濃度について、まず過去の報告の従って実験を行ったが障害が強すぎたり、あるいは障害がほとんど起こらず、新たに至適濃度を決定する作業に難儀した。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲンタマイシンの効果が不安定な場合は、先行研究の多いネオマイシン100mMに変更することも視野に入れている。内耳毒性薬物の障害至適濃度が決定されれば、次にスタチン、プロブコールについて濃度系列を作成して有毛細胞障害抑制効果を検討する。これらに関する至適濃度が決定されればウエスタンブロット、RT-PCRによる評価を順次追加する。さらにin vivoにおいてもスタチン、プロブコールの至適濃度を決定していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として培養実験に使用する培養メッシュなどの消耗品、及び実験動物の購入に使用する。
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