2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592476
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戸叶 尚史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70334422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 健 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90010470)
吉川 欣亮 公益財団法人東京都医学総合研究所, 哺乳類遺伝プロジェクト, プロジェクトリーダー (20280787)
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Keywords | マウス / 外有毛細胞 / 高血糖 / C57BL/6J / レプチンレセプター / C3H/HeJ / ストレプトゾトシン / アディポネクチン |
Research Abstract |
C3H/HeJにストレプトゾトシン(STZ)を投与して膵臓を障害したマウスを血糖値250mg/dl(A群)以下、250-500mg/dl(B群)、500mg/dl以上(C群)の三群に分類し、それぞれ実験プロトコールに従い、6週齢9匹、12週齢、18週齢、24週齢、30週齢、36週齢に対して歪成分耳音響放射(DPOAE)の解析を行った。聴性脳幹反射(ABR)に関してはDPOAEがみられなくなったマウスにのみ行った。結果としてA群はDPOAEが消失した個体は認められなかった。B、C群に関してはA群に比べ寿命が短い傾向にあり、DPOAEが消失した個体に関してもABR閾値が上昇することはなかった。上記の結果に関してはLeprdb/dbと同様であった。しかしながら形態学的な解析においては、Leprdb/dbにみられたような、外有毛細胞不動毛の形態異常や脱落や外有毛細胞内に異常粗大なPAS陽性構造物は認められなかった。このため、高血糖状態における聴覚障害の機序は、不動毛の形成異常、あるいは高血糖状態における細胞障害や末梢神経障害などの他、同様のSTZを投与して様々な血糖値を示したことがみられるように、さまざまな障害要因における、遺伝子の多型による細胞障害に対する抵抗も原因ではないかと考えられた。 一方、5-OHdGはいずれの個体の外有毛細胞に発現しなかった。このため、アディポネクチン活性低下によるインスリン抵抗性の増大、その機序としての骨格筋や肝臓などにおけるAMPキナーゼを活性化の低下、直接的な動脈硬化の進行など、アディポネクチン分泌低下の一因としての、活性酸素による外有毛細胞の酸化ストレスを証明することはできなかった。
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