2011 Fiscal Year Research-status Report
神経堤細胞の制御遺伝子を標的にした加齢性難聴発症の予防・治療薬の開発
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23592479
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽根 三千彦 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30273238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大神 信孝 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (80424919)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ラセン神経節 / 神経堤細胞 / 内耳 / 難聴 |
Research Abstract |
【研究目的】感音性難聴には、生まれた時より発症する先天性難聴、あるいは加齢性難聴、騒音性難聴などが含まれ、それらの発症の原因として、遺伝的要因あるいは騒音等の環境ストレスが関わっていると考えられているが、未だ不明な点が多い。一方、神経堤細胞の制御遺伝子、エンドセリン受容体B(EdnrB)はメラニン異常及び先天性難聴を伴うワーデンブルグ症候群の原因遺伝子の一つとして、内耳・血管条の中間細胞(色素細胞)の発達に関与している事が知られている。一方、EdnrBは神経系にも発現していることが報告されているが、聴神経系でのEdnrBの役割は全く分かっていない。そこで本年度では、先天性難聴予防の新たな標的分子として内耳の聴(ラセン)神経節のEdnrBを解析した。【研究成果】EdnrBを色素細胞以外のラセン神経節にドーパミンβヒドロキシラーゼ(DBH)プロモーター下で発現増強させ、先天性難聴に対する効果を検討した所、EdnrBノックアウトマウスの先天性難聴およびラセン神経節の変性を改善する効果が観察された(Ida-Eto, Ohgami, Sone et al., JBC 2011)。【意義】本研究より、聴神経系においてEdnrBは聴力の獲得に重要な役割を担っている事、そして、EdnrBの聴神経系での発現増強は、先天性難聴の予防・治療につながる可能性が示唆された。また、先天的に色素細胞を欠損している先天性難聴患者であっても、ラセン神経節のEDNRBを標的に予防・治療できる可能性が期待される。今後は、それらの知見に基づいて、加齢性難聴の分子標的療法の開発を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内耳の聴神経系の維持および防御的に働く神経堤細胞制御分子の役割を個体レベルで明らかにし、その成果を論文発表出来た為。
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Strategy for Future Research Activity |
内耳の聴神経系の維持に関わる分子群の発現・活性を制御出来る化合物の選定し、加齢性難聴発症の予防・治療薬の開発をマウスレベルで進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費および今年度の研究費繰り越し分を併せた研究費は、マウスに投与した化合物の作用機序の解析に必要な一般試薬、マウスの維持管理費、及び、聴覚系の病理解析に必要な形態解析試薬等に使用する予定である。
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Research Products
(23 results)