2012 Fiscal Year Research-status Report
コンフォーカルマイクロエンドスコープを用いた新しい内耳遺伝子導入方法の開発
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23592480
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田浦 晶子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70515345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 隆之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50335270)
坂本 達則 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60425626)
北尻 真一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00532970)
戎 富美 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70596197)
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Keywords | 内耳 / 遺伝子導入 / ポリエチレンイミン |
Research Abstract |
1) 標的細胞の同定:内耳有毛細胞への遺伝子導入は非常に困難であり、現時点では有毛細胞にターゲットを絞って導入する事は殆ど不可能である。そこで、aliveの状態で有毛細胞を同定する為にconfocal-micro -endoscopeを使用する。本年度はconfocal-mico-endoscopeを用いて固定した内耳の観察を行った。内耳組織を確認同定するには固定する必要があったが、confocal micro endoscopeを用いれば、aliveな状態で内耳組織の観察が可能で、しかも有毛細胞は内耳上皮組織にあるので同定が容易であり、この手法が確立されれば応用範囲が広がることから、生理的な条件での内耳研究に非常に重要である。 2) 遺伝子導入:本研究では安全性が確立されたカチオン化ポリマーを用いて、電気生理学的手法である穿孔パッチ法を用いて遺伝子導入を行う。本年度は、遺伝子導入のために、カチオン化ベクターを用いての実験を行った。カチオン化ベクターとしてPEI(ポリエチレンイミン)を用いてGFPプラスミドの内耳前庭組織への導入を試みた。様々な濃度および方法にて至適導入効率を確認した。結果としては内耳前庭組織への導入は困難であったため、内耳有毛細胞に電気生理学的イオンフォレーシスを用いて、矩形波電流を流し、細胞内にプラスミドを流入させると導入効率の増加を認める事が出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポリエチレンイミンとイオノフォレーシスにて有毛細胞への遺伝子導入は可能であったものの、効率は依然低い状態である。タイトジャンクションなどの細胞間結合が障害となって導入されない可能性もあるため、細胞間結合を緩めて実験も行ったが、困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
1) confocal endo-microscopeの解像度を挙げるために、すでに脳内組織でされている至適条件を参考にして再度実験条件の至適化を行う。 2)内耳有毛細胞でのイオンフォレーシス法を確立させ、薬剤により導入効率を増加させる。また、有毛細胞のみに吸収される薬剤と遺伝子を結合させて、有毛細胞に能動的に遺伝子を導入させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)動物実験と電気生理学的イオンフォレーシスのために、有毛細胞を明視かで確認するために、カメラの購入を予定している。 2) 導入実験を生理的に行う為に、カルシウム濃度の最適化が望ましい。チャンバーセットでのカルシウム濃度維持の為にペリスタルティックポンプの購入を行う。
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