2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞による虚血性内耳障害抑制効果の機序解明の研究
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23592486
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
白馬 伸洋 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70304623)
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Keywords | 内耳虚血 / 内有毛細胞 / 活性酸素 / free radical / therapeutic time window / 神経幹細胞 / 神経栄養因子 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
突発性難聴の原因は未だ不明であるが、多くの症例では背景に内耳虚血が関与すると考えられる。我々は長期生存可能な一過性内耳虚血の動物モデルを作成し、虚血・再灌流による内耳障害メカニズムやその防御法について研究を進めてきた。その結果、内耳虚血により難聴が生じ外リンパ中グルタミン酸濃度が著明に上昇すること、虚血後3日目までに有毛細胞にアポトーシスが生じ脱落が起こることを明らかにした。さらに、活性酸素による内耳障害との関連としては、虚血によりiNOSが誘導され、誘導されたiNOSによって蝸牛外リンパ液中にNOxが発生することや、free radicalが障害の増悪因子であることを解明してきた。また、内耳における再生治療として、神経幹細胞をスナネズミ一過性虚血モデルの内耳に虚血後注入し、虚血障害後に生じる内耳障害について生理的・組織的検討を行った結果、進行する内有毛細胞の脱落変性を抑制し、その治療効果についても明らかにしてきた。しかし、神経幹細胞がどのようにして障害を抑制する機序についての詳細不明である。もし神経幹細胞移植による、虚血障害発生のメカニズムが明らかとなれば、内耳虚血が関与する高度感性難聴疾患すべての治療が可能になる。 今回の研究として、神経幹細胞が内耳虚血障害後に生じるNOxやアポトーシス関連蛋白などの障害増悪因子と、GDNF,bFGF,IGFなどの障害を抑制する神経栄養因子の誘導に影響を及ぼすかを検討するため、スナネズミ胎児の海馬・線条体より採取・培養した神経幹細胞をスナネズミ一過性虚血モデルの内耳に虚血後注入し、虚血障害後に生じるNOx、アポトーシス関連蛋白、GDNF,bFGF,IGFなどの神経栄養因子の誘導について測定を行い、虚血性内耳障害に対する神経幹細胞の有効性を分子生物学的手法を用いて解明するこを目的とした 。
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