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2012 Fiscal Year Research-status Report

アブミ骨振動のハイスピードカメラによる動画撮影とその動き解析

Research Project

Project/Area Number 23592487
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

玉江 昭裕  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (50529881)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大橋 充  九州大学, 医学研究科, 共同研究員 (70529883)
Keywordsアブミ骨振動 / 音分別システム / 中耳伝音系 / 伝音難聴評価
Research Abstract

ハイスピードカメラによるアブミ骨振動の撮像と解析を目的とした本研究において、平成24年度は以下の研究成果を得た
①23年度までの実験で、基本的なアブミ骨の運動性質については解析されていた。我々の使用しているTone burst音の単一刺激周波数と全く同じ周波でアブミ骨上下運動がなされていることを動画撮影で証明していた。今回生体下で同様の実験を施行した。測定方法はほぼ断頭下と同様である。全身麻酔器による麻酔導入を行った。呼吸は自発呼吸が残る程度の麻酔深度として、腹側から中耳骨包を小開創して側視可能な細径リアルボアレンズを使用してアブミ骨を明視下においた。23年度実験の刺激と同様に単一周波数Tone burst音で刺激した。基本的には23年度と同様に刺激周波数と同じ周波でアブミ骨上下運動を行っていることが動画撮像にて証明された。しかしその一つ一つの周波の際、アブミ骨の上下方向の正中位で上方向と下方向の運動それぞれの際にブレーキングのような動きをしていることが証明された。これはアブミ骨筋のブレーキングによるものか、他の機構によるものか解析できていないが、初めて明らかとなった現象である。
②さらに、もう一つの目標として、和音刺激を入れた際の動態解析についても結果を得た。この実験のために、タッカーデービス社のリアルタイムプロセッサーを使用した。この音源によって、自由に刺激周波数と和音数を設定することが可能となった。
この音源を利用して2和音での刺激を行った。その結果アブミ骨は和音を構成する2つの刺激音の合成波と同じ動態で上下運動をしていることが解明された。さらに、アブミ骨運動の動画から作成した波形をフーリエ変換によって分解解析すると、刺激周波の2つの周波と同じ周波2つに分解解析できた。この実験で、アブミ骨は和音を受容するのに、多周波の合成波形と同様の動きをしていることが解明できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね順調に研究成果が得られている。23年度には、断頭したモルモット(死体)を利用した、中耳伝音系の構造のみを対象とした、アブミ骨動態解析に成功した。
24年度の主目標は、生体下での実験系の確立であった。観察視野がかなり困難であること、実験を生体環境を維持した状態で継続することは大変困難であったが、小動物全身麻酔器の麻酔深度調整が改善できたことと、細径リアルボアスコープを使用することで、手術創部を小さくできたこと、さらには頸部過伸展をせずに観察視野を得られたことが解析を進められる要因であった。また、これまでの学会などで、かならず質問として挙がっていた和音の解析についても着手できた。実験に使用できるような高性能かつ小動物の耳内に挿入できるイアホンによって出力できる音源装置を入手できたことで実験が進んだ。刺激音の合成波形と同様にアブミ骨が運動していることを明らかにできたことは非常に画期的なことと考える。

Strategy for Future Research Activity

25年度の研究計画は以下のとおりである。
①アブミ骨のブレーキング現象について、さらに解析を行う。アブミ骨筋によるブレーキングと仮定すると、既知のアブミ骨筋の収縮によるブレーキングとは、かなり異なったブレーキングシステムが存在する可能性があり、大きなブレイクスルーとなる可能性がある。生体下から安楽死状態に移行する過程でのブレーキングシステムの変化、アブミ骨筋を切断する(かなり困難を極めると思われる)ことによる変化を解析することで、アブミ骨筋の関与について解析可能とかんがえる。
②和音については合成波形通りの動きをすることが解明されたので、周波数の組み合わせを増やす、和音数を増やす、和音の周波数差を減少させるなどの解析をして、さらに和音受容のメカニズムを明らかにしてゆく。
③論文作成および投稿を行い、また研究施設のホームページ上での公開も行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額27690円に予定額500000円を加えて検討している。研究に必要な機器についてはおおむね必要なものはそろった。
①実験動物購入費:50000円
②学会旅費:300000円
26年2月に開催されるARO(Assocciation for Research in Otolaryngology)への投稿を目標としている。
③論文投稿日:150000円

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] モルモットアブミ骨の生体下における 音刺激時動態解析2012

    • Author(s)
      大橋 充
    • Organizer
      第57回日本聴覚医学会総会・学術講演会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      20121011-20121011

URL: 

Published: 2014-07-24  

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