2011 Fiscal Year Research-status Report
Side population法を用いて抽出した成体幹細胞のマウス耳胞内移植
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23592488
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蓑田 涼生 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (30284772)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | SP細胞 / 蝸牛 / 耳胞 |
Research Abstract |
先天性難聴は、すべての先天性疾患の中でも発生頻度の高い疾患の一つであり、その50%以上は遺伝子の関与によるものと推測されており、現在までに100以上もの難聴原因遺伝子が同定されている。これらの症例に対しては、現在は対症的に人工内耳埋め込み手術が行われているが、根本的な治療には、異常な表現型(phenotype)が現れる前に1)内耳の遺伝子を操作する、2)幹細胞移植により正常な機能を有する細胞を分化させる、という2つのアプローチ方法が考えられる。本研究は、2)幹細胞を用いた治療法開発を目指した研究であり、前述の如く、ターゲットである内耳への治療介入は、異常な表現型が現れる前に行う必要があるため、内耳原基である耳胞をターゲットとする。申請者は、以前より「遺伝性難聴の根本的治療法の開発」を最終目標とした研究を行っており、本研究もその一環として行う。内耳原基である耳胞は、遺伝性難聴の治療法開発のためのターゲットの一つとして極めて重要である。本研究においては、高い成体幹細胞活性を示す細胞群がSide population(SP)法にて抽出可能であることを踏まえ、SP法にてEGFPマウスより抽出した内耳成体幹細胞(SP細胞)を非GFPマウス耳胞内へ微小ガラス管を通して投与し、その後のSP細胞の生着、分化について形態的学的に評価を行うとともに、SP細胞移植による機能障害惹起の有無について評価を行うことを目的としている。H23年度はSP細胞の抽出方法の確立を行った。当初SP細胞の抽出は外部委託で行うことを計画していたが、抽出に必要なフローサイトメーターが学内で使用可能であることが分かったため、実験の効率化のためまず学内の器械を使用してSP細胞の抽出を行うこととした。25個体の生後3日のマウス採取した蝸牛よりフローサイトメーターを用いてSP細胞の抽出が行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初SP細胞の抽出は外部委託で行うことを計画していたが、抽出に必要なフローサイトメーターが学内で使用可能であることが分かったため、実験の効率化のためまず学内の器械を使用してSP細胞の抽出を行うこととした。このため実験の進行がおくれた。
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Strategy for Future Research Activity |
学内のフローサイトメーターを用いることにより、当初予定していた外部委託にくらべ、細胞処理からSP細胞の抽出までの時間を短縮できるため、より効率的なSP細胞の抽出が行えるようになると考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記と同様に、学内のフローサイトメーターを用いることにより、当初予定していた外部委託にくらべ、細胞処理からSP細胞の抽出までの時間を短縮できるため、より効率的なSP細胞の抽出が行えるようになると考える。繰り越した研究費は未実施のH23年度の研究の実施に使用する予定である。
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