2012 Fiscal Year Research-status Report
Side population法を用いて抽出した成体幹細胞のマウス耳胞内移植
Project/Area Number |
23592488
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蓑田 涼生 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (30284772)
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Keywords | 内耳 / 耳胞 / SP細胞 |
Research Abstract |
遺伝性性難聴に対する根本的な治療としては、異常な表現型(phenotype)が現れる前に1)内耳の遺伝子を遺伝子治療にて操作する、2)幹細胞移植により正常な機能を有する細胞を分化させる、という2つのアプローチ方法が考えられる。。本研究は、2)幹細胞を用いた治療法開発を目指した研究であり、前述の如く、ターゲットである内耳への治療介入は、異常な表現型が現れる前に行う必要があるため、内耳原基である耳胞をターゲットとする。申請者は、以前より「遺伝性難聴の根本的治療法の開発」を最終目標とした研究を行っており、本研究もその一環として行う。内耳原基である耳胞は、遺伝性難聴の治療法開発のためのターゲットの一つとして極めて重要である。本研究においては、高い成体幹細胞活性を示す細胞群がSide population(SP)法にて抽出可能であることを踏まえ、SP法にてEGFPマウスより抽出した内耳成体幹細胞(SP細胞)を非GFPマウス耳胞内へ微小ガラス管を通して投与し、その後のSP細胞の生着、分化について形態的学的に評価を行うとともに、SP細胞移植による機能障害惹起の有無について評価を行うことを目的とした。H23年度はSP細胞の抽出方法の確立を行った。当初SP細胞の抽出は外部委託で行うことを計画していたが、抽出に必要なフローサイトメーターが学内で使用可能であることが分かったため、実験の効率化のためまず学内の器械を使用してSP細胞の抽出を行うこととした。これまでの研究で、学内の器械を使用して生後3日のマウス採取した蝸牛よりSP細胞の抽出が行えた。しかし、その細胞数は極めて少なく、このまま耳胞内に細胞移植を行うことは不可能と考え細胞培養を計画したが、現在までに実験に必要な十分な数のSP細胞の培養には成功していない。そのため、来年度はiPS細胞を入手し、耳胞内細胞へ細胞移植も並行して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初SP細胞の抽出は外部委託で行うことを計画していたが、抽出に必要なフローサイトメーターが学内で使用可能であることが分かったため、実験の効率化のためまず学内の器械を使用してSP細胞の抽出を行うこととした。この器械を使用して生後3日のマウス採取した蝸牛よりSP細胞の抽出が行えた。しかし、その細胞数は極めて少なく、このまま耳胞内に細胞移植を行うことは不可能と考え細胞培養を計画したが、現在までに実験に必要な十分な数のSP細胞の培養には成功していない。これらの問題により実験進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
移植に十分な幹細胞の作成を行うために、細胞培養法の改良に加え、来年度はiPS細胞を入手し、iPS細胞の耳胞内細胞へ細胞移植も並行して行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
移植に十分な幹細胞の作成を行うために、細胞培養法の改良に加え、来年度はiPS細胞を入手し研究の促進を図る。
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