2013 Fiscal Year Annual Research Report
プレスチン蛋白の膜発現様式と外有毛細胞機能との関係
Project/Area Number |
23592489
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松田 圭二 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40253835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋倉 隆 宮崎大学, 医学部, 講師 (20301385)
長井 慎成 宮崎大学, 医学部, 助教 (70404457)
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Keywords | プレスチン / 細胞容積調節 |
Research Abstract |
急性感音難聴の発生メカニズムは活性酸素の発生とそれに続く蝸牛内細胞のアポトーシスである。アポトーシス死はApoptotic Volume Decrease(AVD)と呼ばれる等浸透圧性細胞縮小の誘導と, RVI不全による細胞縮小持続によってもたらされる。いかなるアポトーシス刺激も、K+チャネルとCl-チャネルの活性化によるKC1流出を原因とするAVDの発生をもたらす。このCl一チャネルは,容積感受性Cl-チャネルであり,これが細胞膨張なしに活性化されるのである。プレスチンは、ほ乳類の外有毛細胞に特異的に発現し、膜電位の変化に応じて伸縮するモータ蛋白として同定され、外有毛細胞体の能動的な伸縮のメカニズムを司る責任蛋白と目されている。プレスチンは744アミノ酸からなる10~12回膜貫通型の膜蛋白であり、ほ乳類の外有毛細胞・側底膜だけに発現する。現在ジャービル、ラット、ヒト、マウスについては既に遺伝子配列が明らかになっている。アニオントランスポーターファミリー(SLC26A)に属し、この属の他のメンバーであるpendrinの欠損がPendred症候群を起こすと同様、プレスチン欠損もヒトにおける遺伝性神経難聴の原因になりうると考えられている。現在まで多くのプレスチンに関する研究が報告されてきているが、そのほとんどは、プレスチンの構造、機能およびその聴覚における役割に関するものである。2007年にZhiらによりプレスチンの競合阻害薬であるサリチル酸で前投与した外有毛細胞に低浸透圧液を負荷すると細胞容積調節が阻害されることが報告された。このことからプレスチンが、細胞容積調節に関与していることが推測された。またプレスチンは細胞容積調節に関与することで細胞死にも関わっているのではないかと推測される。今回、我々はプレスチンが細胞容積調節にどのように関わっているかを調べることにした。
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Research Products
(1 results)