2011 Fiscal Year Research-status Report
難治性中耳炎副鼻腔炎に対しsiRNAにより粘膜杯細胞化生を制御する新治療法の開発
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23592490
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中村 善久 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90360023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 元彦 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50326138)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 杯細分化 |
Research Abstract |
慢性中耳炎や好酸球性中耳炎におけるMath1 siRNAの効果を検討するため、これらの疾患のモデル動物を作成する実験を行っている。マウスの中耳にTNF-αや、好酸球の走化因子エオタキシンと分化成熟因子IL-5を投与し、杯細胞化生を誘導するモデル動物の作成を試みている。TNF-α投与による杯細胞化生の誘導には成功した。IL-5, エオタキシンの投与は単回では十分でなく、複数回の投与が必要と思われる。複数回の投与を行っているが、細菌のコンタミが多く、投与方法の改善が課題である。 実験動物でのMath1 siRNAの効果の検討に平行して、培養細胞での効果についても検討することにした。申請者はマウス中耳粘膜上皮細胞に、TNF-α(炎症時に産生されるサイトカイン)とレチノイン酸(ビタミンA:粘膜分化に必須の栄養素)を投与し、杯細胞化生を誘導する研究を米国ミネソタ大学で行っていたが、マウス中耳粘膜上皮細胞が日本では入手困難であることから、気管支上皮細胞をもちいて同様の検討を行った。今年度は、この細胞を用いて培養細胞におけるMath1 siRNAの効果を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IL-5,エオタキシンによる好酸球性中耳炎モデルの作成を試みているが、単回投与では不十分であり、複数回の投与を試みている。細菌のコンタミが多く、投与方法の改善を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
TNF-α投与による慢性中耳炎モデルの作成に成功しており、今後は、Math1 siRNA投与による杯細胞化生の効果を検討する予定である。作成したMath1 siRNA自体の効果を確認するため、気管支上皮細胞を用いてin vitroでの検討も併せて行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
好酸球性炎症を誘導するエオタキシンとIL-5を投与し、好酸球性中耳炎における杯細胞化生のモデル動物を作製する。これらの動物において、杯細胞化生の誘導時(TNF-αやエオタキシン、IL-5を投与するのと同時)にMath1を抑制するsiRNAを投与し、杯細胞化生の発生を予防し正常粘膜を保つことで、慢性中耳炎や好酸球性中耳炎の発症を予防できるか検討する。
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