2011 Fiscal Year Research-status Report
内耳障害における内耳スーパーオキサイド分布について
Project/Area Number |
23592502
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
原田 保 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30165021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 久毅 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70309574)
森田 倫正 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40341119)
舘 俊廣 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70341120)
浜本 真一 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30551204)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 内耳 / スーパーオキサイド / 一酸化窒素(NO) / CDDP / 薬剤性内耳障害 |
Research Abstract |
組織障害に関して一酸化窒素(nitricoxide,NO)は重要であるが耳鼻咽喉科領域での研究は少なく、内耳疾患における詳細な報告はない。23年度は投与内耳障害モデルの作製と測定のために作製したカテーテル型NOセンサーの有用性に関して検討した。(1)CDDP(cis-diammine-dichloroplatinum)投与内耳障害モデルの作製:聴力が正常な4週齢のHartey系モルモット(n=5;雌;体重250~300g)を使用し、CDDPを10mg/kg/dayを腹腔内に1回投与した。またコントロール群は同量の生理食塩水を投与した。結果:HE染色組織の結果:CDDP群では有毛細胞、血管条、蝸牛神経節細胞に変化を認めた。コントロール群に変化は認めなかった。(2)ABR(auditory brainstem response)の測定を投与後1-5日目まで毎日測定した。結果:4,6,8KHzにおいて2日目から閾値の上昇を認め、3日目が最も上昇し、以後やや低下した。コントロール群では閾値の上昇はなかった。なぜ3日目が最も悪いのか検討が必要と考える。(3)経時的な内耳におけるNOの変化蝸牛基底回転からカテーテル型NOセンサーを挿入し、骨パテで充填後、皮膚縫合を行い、通常の飼育状況にし、CDDP注入後、3時間ごとに外リンパ中のNOを測定した。結果:コントロールに比べCDDP群では外リンパ中のNO濃度の上昇を認めたが、ストレスの影響を最小限にするため、ある程度の自由行動を許したため、センサーの固定が完全でなく、データにかなりのばらつきを認めた。現在固定方法を再考し、信頼できるデータが取れるように検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モルモット内耳に障害を与えることができるCDDP濃度をいろいろと設定し、10mg/kg/dayが最適であることが判明し、容易に実験動物を作製することができた。また小型特殊防音室を作製し、ABRのデータが一定化し、再現性のあるものになった。NOセンサーの固定は不十分であり、データが一定化していないが、動物の運動を少し制限することにより現在少しであるがデータの信頼性が増してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果からCDDP投与群においてABRの閾値が3日目に最も上昇し、以後低下傾向にあった。この事実は1-2日目に何らかの治療薬の投与で上昇を防止できる可能性があると考える。NO濃度の1-3日目の変動を経時的に測定し、内耳障害予防の方策を検討したい。そのためNOセンサーの固定を早急に善処したいと思う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ストレスの影響を最小限にするため、ある程度の自由行動を許したため、センサーの固定が完全でなく、データにかなりのばらつきが出た。センサーの固定方法に時間がかかり、予定通り研究が進まなかった為、経費の一部を翌年度に繰り越す事になった。次年度使用額はH24年度請求額と合わせ、NOセンサーの改良と内耳障害モデル作製に実験動物・試薬に使用する。
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Research Products
(2 results)