2013 Fiscal Year Annual Research Report
内耳障害における内耳スーパーオキサイド分布について
Project/Area Number |
23592502
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
原田 保 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30165021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 久毅 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70309574)
森田 倫正 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40341119)
舘 俊廣 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70341120)
浜本 真一 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30551204)
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Keywords | 内耳 / スパーオキサイド / 一酸化窒素(NO) / 薬剤性内耳障害 |
Research Abstract |
NOは疾患あるいは正常な生理機能面でも重要な役割を演じている。耳科領域で薬剤性難聴、騒音性難聴、老人性難聴などの病態にNOが関与しているとの報告はある。我々は平成23年度から内耳におけるNOの関与に関して研究してきた。23年度および24年度に報告したごとく内耳障害マウスモデル(すでに報告しているCDDP投与により惹起された難聴動物)を用いて経時的に鼓室階リンパ液(外リンパ)のNO測定を試みたが、開窓した中耳骨包でNOセンサーの固定が不十分であったため安定したデータを得ることができなかった。そこでマウスを拘束することにより行動を制限し、センサーの固定もより強固にし、実験を再開した。24年度の自由行動マウスにおけるNO値と拘束した場合のNO値には大幅な差を生じた。動物の数が少ないためこの差に関しての事実を見出すことは不可能であるが、拘束マウスのNO値が明らかの高値であった。この差に関して論文的に考察すると、内耳障害によるNO値の変動より拘束ストレスによる影響が強いのではないかと考えた。NOを安定的に測定することはできなかった。安定的なNOを測定することができなかったので、頭数を増やし前回同様にiNOsと難聴の関係について詳細に検討した。難聴の程度は、ABRを用いて評価した。CDDP投与後1,2,3,4,5日目に2,4,6kHzの領域でABRの閾値を測定した。また同時期にWestern Blot法を用いてiNOsの検出をおこなった。3日目にABRの閾値は上昇し、5日目には1日目の閾値とほぼ同じ閾値になっていた。またiNOsは1日目に現れ、2日目が最も著明に出現し、3,4目は減少し、5目には1日目とほぼ同程度に出現していた。経日的なABR測定とiNOsの検出結果からNOが難聴の病態に深く関与していると考えられた。
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Research Products
(4 results)