2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592512
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 隆 大分大学, 医学部, 講師 (20305056)
野田 謙二 大分大学, 医学部, 助教 (90511171)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 粘膜免疫 / 樹状細胞 / NKT細胞 / Th17細胞 / 上気道 |
Research Abstract |
上気道粘膜免疫応答の誘導機序の解明のために、免疫応答の司令塔である樹状細胞およびNKT細胞の細胞間相互作用を中心に研究を進めていった。NKT細胞のリガンドであるα-galactosylceramide (αGalCer)をマウスに対し、週1回、計3回経鼻投与した。我々の研究グループではこれまで、抗原とアジュバントの投与による経鼻ワクチンの研究を行なっているが、今回はαGalCerの単独投与とした。αGalCer投与後にマウス鼻粘膜を採取し、単核球を分離し、解析した。フローサイトメトリーでは樹状細胞およびNKT細胞ともに増加していることが明らかとなり、特に粘膜免疫誘導組織であるNALTにおいて顕著であったことから、樹状細胞とNKT細胞の細胞間相互作用の場がNALTであることが示唆された。抗体産生細胞についてELISPOT法にて解析した結果、鼻粘膜IgA産生細胞の増加が観察された。T細胞レベルの解析ではTh1およびTh2型免疫応答の誘導が示唆され、さらに興味あることにTh17細胞の関与が示唆された。αGalCer投与後に肺炎球菌もしくはインフルエンザ菌の生菌を経鼻注入し、24時間後に細菌の排除について観察した。その結果、肺炎球菌、インフルエンザ菌ともαGalCer単独投与により、鼻咽腔からの排除が促進された。以上のことから、鼻粘膜NKT細胞の活性化により、樹状細胞の成熟分化が促進され、この両者の細胞間相互作用により、B細胞活性化による抗体産生の増強およびTh1, Th2さらにTh17型免疫応答が誘導され、生体防御に寄与していることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NKT細胞と樹状細胞の細胞間相互作用の場がNALTであることが明らかとなったことは上気道粘膜免疫応答の誘導機構の理解に重要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
Th17細胞に重要なIL-6やTh17細胞の産生するIL-17, IL-22などのサイトカインをモノクローナル抗体を用いてノックダウンし、これらサイトカインの生体防御における役割を明らかにしていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度、研究費の交付が遅れたこともあるが、研究費はほぼ計画通りに使用した。前年度から次年度への繰り越し分は少ないが、全体の研究計画にしたがって次年度に使用する。 直接経費の多くは抗体などの試薬の購入に使用する。
|
Research Products
(2 results)