2012 Fiscal Year Research-status Report
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23592512
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 隆 大分大学, 医学部, 講師 (20305056)
野田 謙二 大分大学, 医学部, 助教 (90511171)
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Keywords | 粘膜免疫 / 樹状細胞 / NKT細胞 / Th17細胞 / 上気道 |
Research Abstract |
上気道粘膜免疫応答の誘導機序の解明のために、免疫応答の司令塔である樹状細胞とNKT細胞の細胞間相互作用を中心に研究を進めていった。NKT細胞のリガンドであるα-galactosylceramide (αGalCer)をマウスに対し、週1回、計3回経鼻投与した。これまで、抗原とアジュバントの投与による経鼻ワクチンの研究を行なっているが、昨年度同様にαGalCerの単独投与とした。αGalCer投与後にマウス鼻粘膜を採取し、単核球を分離し解析した。フローサイトメトリーでは樹状細胞及びNKT細胞共に粘膜免疫誘導組織であるNALTにおいて増加を認め、樹状細胞とNKT細胞の細胞間相互作用の場がNALTであることが示唆された。これは組織学的にも明らかとなった。抗体産生細胞についてELISPOT法にて解析した結果、鼻粘膜IgA産生細胞の増加が観察された。T細胞レベルの解析ではTh1及びTh2型免疫応答の誘導が示唆され、さらにTh17細胞の関与が示唆された。αGalCer投与後に肺炎球菌もしくはインフルエンザ菌の生菌を経鼻注入し、24時間後に細菌の排除について観察した。その結果、肺炎球菌、インフルエンザ菌ともにαGalCer単独投与により、鼻咽腔からの排除が促進された。次にαGalCer投与後に、抗IL-17抗体を経鼻投与し鼻粘膜のTh17細胞をノックダウンした状態で細菌のクリアランスを同様の方法で観察すると興味あることに抗IL-17抗体投与後に細菌のクリアランスが低下していた。以上の事から鼻粘膜NKT細胞の活性化により、樹状細胞の成熟分化が促進され、この両者の細胞間相互作用によりB細胞活性化による抗体産生の増強及びTh1, Th2さらにTh17型免疫応答が誘導され、生体防御に寄与していることが示唆された。抗原非特異的な細菌の鼻咽腔からの排除にはTh17細胞が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NKT細胞と樹状細胞の細胞間相互作用の場がNALTであることが組織学的にも証明されたことは上気道粘膜免疫応答の誘導機構の理解に重要である。NKT細胞と樹状細胞の細胞間相互作用によりTh1,Th2のみならずTh17細胞が誘導され、Th17細胞が細菌のクリアランスに大きく関与していることは生体防御の観点から非常に興味深い。
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Strategy for Future Research Activity |
Th17細胞の誘導に重要な樹状細胞由来のIL-6やTh17細胞の産生する別のサイトカインであるIL-22などのサイトカインをモノクローナル抗体を用いてノックダウンし、これらサイトカインの生体防御における役割を明らかにしていく。 GFPマウス由来の樹状細胞の培養系にα-GalCerを加え、これを経鼻的に投与し生体内における樹状細胞とNKT細胞の動態を経時的にバイオイメージングアナライザーにて解析する。NKT細胞は感染症のみならず、癌細胞に対しても非常に効率的に防御的に機能するため、NKT細胞の活性化を利用した経鼻ワクチンへの応用も試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究はほぼ計画通りに進んでいるが、時間的な制約があり計画した実験量より若干少なかった。また試薬購入に際し、キャンペーン中の試薬を購入し経費の節約ができたため、年度内の未使用額が発生した。 本年度から次年度への繰り越し分は少ないが、全体の研究計画にしたがって次年度に使用する。直接経費の多くは抗体などの試薬の購入に使用する。
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Research Products
(2 results)