2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592513
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
児玉 悟 大分大学, 医学部, 講師 (40325717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 謙二 大分大学, 医学部, 助教 (90511171)
能美 希 大分大学, 医学部, 助教 (40468020)
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 粘膜免疫 / 経鼻ワクチン / 樹状細胞 / 上気道感染症 |
Research Abstract |
経鼻ワクチンは上気道感染症に対して有効と考えられている。本研究では鼻粘膜樹状細胞を標的とした経鼻ワクチン開発のための基礎研究を行なっている。上気道炎の代表的な起炎菌であるインフルエンザ菌のP6外膜タンパクのT細胞B細胞エピトープをコードしているDNAをプラスミドベクターに組み込み、DNAワクチンを作成した。このDNAワクチン単独投与では免疫応答は誘導されなかったため、適当なワクチンデリバリーシステムが必要であった。Immunostimulating complex (ISCOM)は抗原をリポソーム化するワクチンデリバリーシステムであり、安全かつアジュバント作用も有している。DNAワクチンとISCOMを混合し、マウスに経鼻投与した。その結果、マウス鼻粘膜においてP6タンパクが発現していることが明らかとなった。DNAワクチンおよびISCOMの投与量を調整し、至適量を調整した結果、血清中のP6特異的IgGおよび鼻腔洗浄液中のIgAが上昇し、経鼻的DNAワクチン投与により、全身にも粘膜局所においても抗原特異的免疫応答が誘導されたことが明らかとなった。樹状細胞の解析では鼻粘膜樹状細胞の増加およびMHC IIやB7-2発現の増強など細胞の成熟が明らかとなり、T細胞レベルの解析では、Th1およびTh2型T細胞免疫応答が誘導されたことが明らかとなった。今回のDNAワクチン投与により、インフルエンザ生菌の鼻咽腔からの排除も促進され、経鼻DNAワクチンが上気道感染症に対する有効な治療ストラテジーであることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経鼻DNAワクチンにより抗原特異的免疫応答が誘導され、細菌クリアランスを促進させたことは大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
経鼻ワクチンによって誘導される抗原特異的免疫応答におけるTh17細胞の役割、Th17細胞の粘膜免疫応答について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度、研究費の交付が遅れたため、当初計画していた研究費の使用が年度内に終わらず、次年度への繰越金が発生したが、研究計画そのものは順調であり、繰越金は次年度に使用する。直接経費の多くは抗体などの試薬の購入に使用する。
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Research Products
(2 results)